方向感の見えにくい相場が続く日本株だが、「年末に向けて今が仕込みのチャンス」だというのは、海外投資のカリスマとして知られるグローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏だ。戸松氏が、今後の日本株、ならびに為替相場の展望を解説する。

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 今年に入ってから、日本株は調整局面が続いているが、それは逆にチャンスとなるだろう。ここまでの日本株低迷の要因は、日銀の追加緩和期待の後退や消費増税による景気減速懸念、ウクライナ情勢の再緊迫化といった通り一遍のものではない。

 日本市場を実際に動かしているのは、売買代金の約7割を占める外国人投資家であり、具体的にはオイルマネーを含む世界中の富豪の資産を受託運用しているロンドン、シンガポール、ニューヨークなどに拠点を置く機関投資家の売買注文である。彼らが日頃色濃く売買しているのが米ナスダックに上場する高成長株であり、その影響が日本株にも波及しているにすぎない、というのが私の見方だ。

 ナスダックを牽引してきたネット株、バイオ株などの優良成長株は今年2月中旬より急騰したものの、ほぼすべての銘柄が3月上旬をピークに下落傾向に転じている。これは米国のテーパリング(金融緩和縮小)が進むなか、米国経済の回復基調がさほど強くなく、企業業績も期待通りには伸びていないことへの失望売りが大きな要因だ。

 例年、米国株は夏場にかけて下がっていく傾向が見られるが、このままいけば、今年も同様の値動きが予想される。ここにきてナスダックの値動きに連動する日本株も、それに追随する可能性が高いのではないだろうか。

 実際、日経平均株価のチャートを見ても、50日移動平均線が200日移動平均線を下に突き抜け、中期下落転換のサインを示しているほどである。

 ただし、この下落局面は日本株にとって大きなチャンスといえるだろう。なぜなら、日本は異次元の金融緩和が続き、さらなる追加緩和まで期待されている。一方の米国は、シナリオ通りに年内にテーパリング完了、来年半ばに利上げともなれば、日米の金利差はさらに開くことになる。

 資金は金利の高い方に流れるので、先を見越してドルが買われて円が売られることで、秋口くらいから一層の円安が予想される。そう考えていくと、今年後半には1ドル=110〜120円の円安が現実味を帯びてきて、それを好感して日経平均も年末に1万7000円を突破していてもなんら不思議はないだろう。

※マネーポスト2014年夏号