本田圭佑の発言から読み解く日本代表の現状

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 コートジボワール戦の試合後は、無言のまま厳しい表情でミックスゾーンを通過した本田圭佑だったが、試合から2日後の16日(現地時間)に行われた練習後に報道陣の取材に応えた。その発言を読み解くと、日本代表の現状が浮かび上がってくる。

 まず、コートジボワール戦で守備的な戦い方をしたのが、ザッケローニ監督の指示によるもの(チーム戦術)ではなく、コートジボワールを「リスペクトし過ぎた」メンタルによるものだったと明言していることは見逃せない。

「後ろに人数を掛けてベタ引くサッカーを、したくないけどさせられた。前に行きたかったけど行けなかった。それは、ゴールのタイミングもそうだったし、いろいろなものの兼ね合いで、メンタル的なもの(が要因)だと僕は思っている」

「チーム自身が自分たちのやりたいポゼッション、ゲームメイクを長時間できなかった。自分たちのスタイルを貫けなかった。(ボールを)取られる位置が悪くて、逆に取られた後はディフェンスで(プレスを)ハメることができなかった。全てが悪循環になってしまったのは、はじまりはメンタル(が理由)で、相手をリスペクトし過ぎた。そこに行き着くんじゃないですか」

 その上で、「逆に、これを改善するのは、そんなに難しい作業ではない。ちょっとした気持ちの変化で、大きくサッカーが変わる要素は秘めていると思っています」と改善への明確な打開策についても言及している。チームリーダーである本田が、このように、打開策をしっかりと把握していることは、この短期決戦の中で、非常にポジティブなことだと言える。

 コートジボワール戦の敗戦後、選手同士による活発な話し合いが行われているのは、他の選手のコメントでも明らかになっているが、その中心にいるのは、当然、本田である。その話し合いの中で、改めてチームとして目指す方向を確認し合っていることが、次の発言からも見て取れる。

「少ないチャンスで優勝するチームもあれば、20本チャンスを作って格好良く優勝するチームもある。我々が狙っているのは、理想を貫く方。一本でも多くチャンスを作っていく」

 明確な言葉で、一度は崩壊しかけたチームのコンセプトを、今一度、チーム全体に徹底しているのだろう。

 また、この部分だけでなく、今回の発言のほとんどが、個人のことではなく、チーム全体のことに言及しているのも特徴的だ。ショッキングな敗戦後、次の試合までの短い準備期間の中で、どうにかしてチームを正しい方向に向かわせようと努めていることがコメントにも如実に表れている。

「負けたこと自体がショックなんじゃなくて、自分たちの良さを出しきれずに敗れてしまったことのほうがショック。もちろん、それをさせてもらえなかった、パワーバランスで向こうのほうが上回っていたことは認めますけど。そうじゃない選択肢を取れたのに取れなかった、その準備ができなかったということのほうがむしろ、自分としてはショックだった」

 この発言は、日本代表選手のみならず、サポーターにも共通の想いだ。本田を中心に、この4年間積み上げてきた自分たちのサッカーをギリシャ戦では見せてくれることを、何より願いたい。

文=岩本義弘