今年後半は10月にリクルートホールディングス、11月にLINEなど、IPO(新規上場)の大型案件が予定されているが、上半期のIPO市場のパフォーマンスは好調とは言いにくい状況だった。IPO市場の最新動向と投資戦略について、投資情報サイト「東京IPO」編集長の西堀敬氏が解説する。

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 昨年のIPO(新規上場)市場は、2004〜2006年のいわゆる「IPOバブル」期以来の活況を呈した。たとえば、昨年のIPO件数は54件となったが、その全銘柄で上場後についた初値が公募価格を上回れば「勝ち」、下回れば「負け」、同値なら「分け」という基準による勝敗で見ると、52勝1敗1分けという結果だった。

 さらに、初値が公募価格に対して何%上昇したかという「初値騰落率」で見ても、54件の平均初値騰落率は121%という高パフォーマンスとなった。

 だが、今年に入ると、そこに陰りが見られるようになってきた。今年のIPO件数は、4月までに18件を数え、件数自体は昨年の同時期までの件数を上回っている。

 しかし、その勝敗は12勝5敗1分け。昨年は年間を通じて1敗しかしていなかったのが、すでに5敗を記録しているのだ。初値騰落率を見ても、その傾向は如実に表われている。18件の平均値は57%に落ちているのである。

 IPO株のパフォーマンスが低調となった大きな要因は、市場の売買代金の減少にある。特に新興市場は顕著で、たとえば東証マザーズ市場の売買代金は昨年12月をピークに減少が続いている。

 売買代金が減少すると、それに連れてIPO株の買い手も減少し、初値が跳ね上がることもなくなる。こうした負の連鎖が昨年末から起こり、IPOマーケットが膠着しているのが現状と捉えられるのである。

 ただし、周期的に見ても、そろそろ売買代金の「底入れ反転期」が近づいてきているのではないだろうか。売買代金が再び膨らんでくれば、特に新興市場では流動性が高まり、IPO株の“連勝街道”が再び始まる期待が高まる。

 その意味で、現在のようなIPO株の低迷期は、個別株のチャートを日々チェックするより、市場全体の売買代金の推移を見ていた方がいいだろう。売買代金の増減推移をチェックしていき、増加に転じたことが確認できれば、そこが買いを入れていいタイミングと判断できるのである。

※マネーポスト2014年夏号