いよいよ全米オープン開幕 過酷な戦いを制するのは?(撮影:上山敬太)

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 個人的には4度目の取材となる全米オープンだが、「パインハーストNo2」(ノースカロライナ州)で開催される今大会は、開幕前からどうも例年とは様子が違った。もちろん、その大きな要因としてはタイガー・ウッズが不在であること、さらに全米女子オープンと連続開催ということが挙げられる。

 だが、故・ペイン・スチュワートの存在も、例年にない緊張感を醸し出している気がしてならなかった。この会場で行われた99年大会の優勝者であり、その4か月後に飛行機墜落事故で非業の死を遂げたスチュワート(享年42)。
 練習日の模様を中継していたESPNでは在りし日の勇姿が繰り返し流され、クラブハウス前にはニッカーズを着て、片足立ちでガッツポーズした優勝時のモニュメントが置かれていた。悲運にも早世したゴルファーをしのび、死後に殿堂入りした偉大なチャンピオンを称えるような空気にパインハーストは包まれていた。
 その99年大会においてわずか1打差でスチュワートに敗れたのがフィル・ミケルソンだった。無冠の帝王と呼ばれていたのも今は昔で、マスターズを3度、全英と全米プロをそれぞれ一度ずつ優勝している彼だが、この全米オープンだけは勝利に一歩、届かない。
 いよいよグランドスラム達成に期待が高まる中、開幕前にインサイダー取引の疑いが持ち上がる。「何も悪いことはしていない」と容疑を否定した彼は、火曜日に公式会見に出席。テレビの中継中、「ミケルソンはグランドスラムを達成できるかどうか」という二択アンケートも行っていて、ミケルソンが何か言葉を発する度に、意見は大きくわかれていた。
 米国のファンはミケルソンに懐疑の目を向けながらも、心の中でタイガー・ウッズに続くグランドスラムを期待しているということなのだろう。
 もちろん、日本人としては、松山英樹が前々週のメモリアル・トーナメントで米ツアー初優勝を遂げたこともあって、日本人初のメジャー制覇に対する期待度という点も例年以上かもしれない。
 公式会見に呼ばれることこそなかったものの、松山の元には多くのゴルファーが祝福に駆け寄り、その中にはメモリアルの最終日に最終組で一緒に回ったアダム・スコットの姿もあった。むろん、初優勝によって、他のライバルだけでなく米国全土から集まるギャラリーの認知度も俄然高まっていることだろう。
 松山はメモリアルで折ってしまったドライバーに代わる1本を求めて、練習ラウンドで試打を繰り返し、ようやく納得のエースを手にした様子だ。パインハーストNo2はラフがなくフェアウェイが広いかわりに、外せばバンカー、砂地、ブッシュが待つトリッキーなコースだ。
 「フェアウェイに行かないとやっぱり難しい。グリーン周りも外す場所によって大変なアプローチが残る1ホール1ホールをどれだけミスなくできるか。どのぐらい我慢できるかの勝負だと思います」
 開幕の8日前にコース入りし、翌日には有村知恵と18ホールをラウンドした松山。開幕直前の火・水曜日には9ホールしか回らず、その一方で攻略のカギを握るグリーン周りの練習に時間を費やしていた。ラウンドに練習時間を割かなかったのは、体力温存の目的もあると飯田光輝トレーナーは話す。
 ノースカロライナ地方はこの時期、気温が35度を超え、湿度も高い。まるで真夏の東京・丸の内でゴルフするような過酷な環境だ。
「特に気にはなりません。それに条件は他の選手も一緒ですから」
 松山は万全の準備で2戦連続優勝、そして日本人初のメジャー制覇に挑む。
文 ライター
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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