少し前になりますが、FRISKのCMで「アイデアが生まれるのは、どこですか?」というものがありました。

 CM内では、アイデアが生まれる場所を割合別で紹介。気になる内容は、トイレの32%が最多で、風呂(29%)、ベッド(22%)、公園(18%)、バス(17%)、洗面所(7%)、エアポート(4%)、プール(2%)、ステージ(1%)と続きます。同CMでは、アイデアはわりと身近なところで生まれていることを訴えています。また、CMのオチとしては、「会議室0%」というものも。確かに、会議室で腕組みをしていても、なかなか良案というものは出てきません。

 そんなアイデアが生まれる場所についてですが、英語圏では「3B」という考え方があるようです。この3Bとは、?ベッドの中にいるとき(Bed)、?浴室やトイレにいるとき(Bath)、?通勤途中でバスなどに乗っているとき(Bus)の三つ。共通点としてあげられるのは、どれもボーっとしているということでしょうか。実際にノーベル医学生理学賞を受賞したオットー・レーヴィー氏は、受賞につながった「ホルモンによる神経情報伝達」を示す実験のアイデアを、二度も夢で見たことがあるそうです。ベッドにいる時に最大のヒントを得たというこのエピソード。なかなかこの3Bという考え方は侮れません。

 もちろん寝ていればノーベル賞もののアイデアが浮かぶというものではありません。アイデアの創出について、明治大学情報コミュニケーション学部教授の石川幹人氏は、自著『「超常現象」を本気で科学する』のなかで、「いったん忘れること」が重要だと指摘しています。

「心理学における創造性に関する研究では、『根源的固執』の重要性が指摘されています。根源的固執とは、端的に言えば、周囲からあれこれ言われても揺るがない、自分なりの『こだわり』を持ち続けることです。ただし、こだわりをもち、自分にプレッシャーをかけながら全力で考えるだけではなく、発見・発明に至るには、さらに『いったん忘れること』が必要とされます。これがうまく行えると、無意識のうちに創造の過程が進行し、思わぬときに答えが意識上へ浮かんでくるのです」(同書より)

 考えて考えて考えて絞り出すより、自分の中に考えの軸を持ちつつも、どこかリラックスした状態で浮かんだアイディアの方が良いということでしょうか。一時期、「セレンディピティ」という言葉が流行りました。これは、あれこれ考えて動くのではなく、偶然に発見する能力を意味しています。こういった肩の力を抜いた姿勢が、新しいアイデアを生む時に必要になるのかもしれません。



『「超常現象」を本気で科学する (新潮新書 571)』
 著者:石川 幹人
 出版社:新潮社
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