【うちの本棚】216回 集まる日,/竹宮恵子

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 「うちの本棚」、今回は竹宮恵子作品集からSF作品を集めた第8巻『集まる日,』をご紹介します。
初期からSF的な作品を手がけてきた竹宮。本作は『地球へ…』に次ぐ超能力をテーマにしたSF短編の名作です。

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 作品集第8巻にはSF・ファンタジー系の作品が収録された。「ガラスシリーズ」の『ガラスの迷路』『扉はひらく いくたびも』は再録。またそのほかの3作品は本書が初収録であると共に、この時点での最新作ともいえる。

 『集まる日,』は超能力をテーマにしたSF作品で、代表作『地球へ…』に類似する。『地球へ…』がヴァン・ヴォクトのSF小説『スラン』を下敷きにしているとするなら、本作は石森章太郎の『ミュータントサブ』をベースにしているといえるだろう。
個人的にこの作品が発表された時期、『地球へ…』、単行本『ジルベスターの星から』そして本作と竹宮のSF作品ばかりを立て続けに読んでいた印象があり、竹宮=SF作品というイメージが強かった。

 『砂時計』は3作からなるオムニバス作品だが、3話目の『オルフェの遺言』は『集まる日,』の続編となっている。超能力に加え亜空間やコンピュータによって管理される無人の都市などSF的なモチーフをふんだんに詰め込んだ作品となっている。
また1話目の『西暦2763年の童話』『夜は沈黙のとき』はそれぞれ独立した短編だが、竹宮らしいSF作品として仕上がっており、3作すべてが佳作といっていい。

 『夢見るマーズポート』は、SFをジャンル別にした特集ムックの一冊に掲載されたもので「SFマンガ家」竹宮恵子を印象づける作品のひとつだったと思う。また後に描かれる『私を月まで連れてって』の原型作品でもある。コメディ調の作品で、スリルや冒険の日々が待っていると憧れの宇宙パイロットになってみたものの、その退屈な毎日に幻滅している主人公の物語となっているのだが、作中登場する少女に人気が集中したのは、作者にとっても意外だったかもしれない。
『ガラスの迷路』『扉はひらく いくたびも』に関しては「フラワーコミックス」版『ガラスの迷路』紹介のおりコメントしているので省略しました。

初出:ガラスの迷路/小学館「週刊少女コミック」昭和46年41号、扉はひらく いくたびも/小学館「別冊少女コミック」昭和50年7月号、集まる日,小学館「別冊少女コミック」昭和53年1月号/、砂時計/小学館「フラワーコミック」昭和53年6月30日号、夢見るマーズポート/学研「SFファンタジア地上編」昭和52年

書 名/集まる日,
著者名/竹宮恵子
出版元/小学館
判 型/B6判
定 価/480円
シリーズ名/プチコミックス・竹宮恵子作品集8
初版発行日/昭和53年10月15日
収録作品/ガラスの迷路、扉はひらく いくたびも、集まる日,、砂時計、夢見るマーズポート

(文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/