厚労省と文科省が先ごろ公表した「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」で、2年連続女子が男子を上回るなど、企業現場で女性の優秀さが目立っている。 こんな見逃せないデータもある。「女性の採用を増やすほうが企業の業績が良くなる」というのだ。

 21世紀職業財団が実施した「企業の女性活用と経営業績との関係に関する調査」によると、女性の管理職割合が「大幅に増えた」企業は、売り上げを伸ばしているという結果が出た。5年前の売上高を100とした指標が173.7。「減った」企業の83.5に対し、実に2倍以上である。

 女子の採用を増やす企業も、近年は増加傾向にある。配送業大手の佐川急便では2012年度から3年間で、女性の採用を1万人以上に増やすとし、従業員に占める女性の割合は3割以上に引き上げ、「佐川男子」ならぬ「佐川女子」を定着させたい考えだ。

 ゼネコン各社も女性の新卒採用数を増やしている。建設業界紙のアンケート調査によると、主要34社の女性入社は68人増で全体の2割近くを占めるという。

『就活のコノヤロー』(光文社新書)の著者で、教育ジャーナリストの石渡嶺司氏が語る。

「これまで男子学生が圧倒的だった商社や金融でも、優秀なのは女子ばかりなので、女性採用を増やし始めています。是非はともかくとしても、“女を紹介しろ”と顧客に迫られても仕事と割り切ってこなすような“ツワモノ”営業女子もポツポツ育ってきています」

 昨年春、安倍政権は「成長戦略」の柱の一つとして、女性の幹部職員の割合を2020年までに30%に引き上げ、全上場企業は役員に少なくとも1人は女性を登用する、という方針を打ち出した。

 確かに厚労省の「2011年度雇用均等基本調査」では、女性の管理職の割合は部長4.5%、課長5.5%と、我が国は諸外国と比べても低いといわれている。

「強制力はなくとも、政府の方針に各企業も従わざるを得ない。女性幹部を登用するには、今から好むと好まざるとにかかわらず、女性の採用を増やしていく必要に迫られています。できない男、優秀な女の選択をどうするかは、企業にとっても過渡期で悩みの種となっているのは間違いありません」(石渡氏)

※週刊ポスト2014年6月6日号