"チャイナマネー"を狙おうと、旅行博には世界中からインバウンド関係者が集まっている【撮影/大橋史彦】

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2006年に中国に移住した大橋さん。蘇州、北京、広州、そして08年からは上海に在住。情報誌の編集長を経て13年9月よりフリーランス。今回は、中国人観光客の集客を目当てに、世界中から観光業者が集まった「2014年上海世界旅行博覧会」レポート。そこには、温泉地日本をアピールする、和服姿の女将・主人たちの姿があった!

  所得の上昇により中国人の海外旅行への意欲は年々高まり、世界中の観光地が"チャイナマネー"を狙っている。5月9〜11日、上海市内で「2014年上海世界旅行博覧会」が開催され、世界中から業界関係者が集まった。

 日本エリアもかなりのスペースを割き、日本政府観光局(JNTO)、地方自治体、大手企業と、この手のイベントではよくある風景が広がっていた。しかしその中に異彩を放つブースがあった。

インバウンド実績が豊富な中国人の志に賛同

 ブースには和服姿が5人。旅館の女将・主人だ。

 北海道朝里川温泉の「小樽旅亭 藏群」、長野県昼神温泉の「石苔亭いしだ」、兵庫県宝塚温泉の「若水」、同じく塩田温泉の「夕やけこやけ」、岡山県湯原温泉の「八景」の5つの高級温泉旅館を紹介する共同ブースだった。

 仕掛けたのは、上海の旅行会社「上海雅遊旅遊諮詢有限公司(ZEEWALK)」。富裕層向けに日本の旅行商品を販売する同社の呼びかけにより、5社が集まったのだった。

 ZEEWALK の設立は昨年だが、共同経営者のひとりである張凌藺(リンリン)さんは、マーケティング会社「上海勒訊企業管理咨詢有限公司(上海スマートビジネスコンサルティング)」を経営し、中国人インバウンドにおける豊富な実績を持つ。

 リンリンさんは、10年から「日本宅人」というブログで中国人に日本の情報を発信して続けてきた。当時はまだ会社を経営する前で、趣味ではじめたブログだったが、読者の数は徐々に増加。同名義で運営している中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」は5万人超のフォロワーを抱え、それなりの影響力を持つ存在となっている。それに加えリンリンさんは、中国の旅行雑誌などにも日本の観光情報を寄稿している。

 そうした彼女の情報発信力に期待し、日本の企業や自治体をはじめ、ビジット・ジャパン事業を展開する日本政府観光局(JNTO)やクール・ジャパンの海外進出を推進する経済産業省といった官公庁からの引き合いも多い。

 しかしこうしたPR活動だけでなく、より直接的にインバウンドに関わりたいと思い、リンリンさんはZEEWALKを立ち上げたのだった。

 今回賛同した5社の温泉旅館も、「中国の企業と旅館が組んで商品開発することに意義がある」(藏群 ・眞田俊之主人)、「富裕層向けというコンセプトがはっきりしているのがよかった」(八景・上塩浩子女将)と彼女への信頼は厚い。

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