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「リッチな米国企業が労働者の権利や尊厳を拒絶して世界で展開している」――国際労働組合総連合(ITUC)がこのような理由で、米AmazonのJeff Bezos氏を世界最悪のCEOに選んだことを発表した。そのほか、韓Samsungなど米国以外の企業のトップもランクインしている。

独ベルリンで開催されたITUCのイベント「3rd International Trade Union Confederation World Congress」で、最悪のCEOを選ぶ「World’s Worst Bosses」への投票が行われた。同イベントには世界161ヵ国から1,500人以上が参加、投票は2万人以上の労働者が行ったという。

ITUCの事務総長を務めるSharan Burrow氏は、「企業が持つ力は制御できなくなっており、資本逃避を振りかざして政府をも威嚇している。政府は1%の欲を、残り99%よりも重視している」と、労働者と企業の現在の状況について述べている。

AmazonのBezos氏選出については、「Jeff Bezos氏は米国の企業モデルを奨励する残酷な雇用主を代表している」とBurrow氏。「倉庫労働者は1日24km歩くこともある、施設外で救急車が定期的に待機している」とドイツのAmazonにおける労働条件の劣悪さを指摘している。

また、「スタッフは行動を追跡される端末を装着しなければならず、休憩などに関する合意がなく、私語をしただけで注意を受ける」とも述べている。なお、ドイツのAmazon労働者はたびたびストライキを行っており、2013年の年末商戦の繁忙時に行ったストは大きなニュースとなった。

このほか世界最悪のボスに選ばれたのは、小売業のWal-Mart StoreのC. Douglas McMillon氏、金融のJP Morgan ChaseのJamie Dimon氏、Goldman Sachs GroupのLoyd Blankfein氏、エネルギー業Koch IndustriesのCharles Koch氏、Samsung Group会長のLee Kun-Hee氏、鉱山開発のGlencore XstrataのIvan Glasenberg氏の6氏。選外として、News Corpの会長兼CEO、Rupert Murdoch氏も選ばれた。

(末岡洋子)