by Xtream_i

児童ポルノはアメリカで厳しく取り締まられていますが、孫が水浴びしている写真をパソコンの中に保存したおじいさんが児童ポルノ単純所持の罪で警察に捕まったりと、身に覚えのない罪で起訴されてしまうこともあります。そして、自分は児童ポルノ写真を一切所持していないにも関わらず、罪を疑われてしまうという事態も発生しました。

Sausalito, CA : Press Releases
http://www.ci.sausalito.ca.us/index.aspx?page=413

Houseguest downloads child porn, cops show up | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2014/05/houseguest-downloads-child-porn-cops-show-up/

事件が起こったのはゴールデンゲートブリッジ北側にあるカリフォルニア州マリン郡。マリン郡の地方警察内にはInternet Crimes Against Children(ICAC/子どもに関するインターネット犯罪を取り締まる集団)が存在し、日頃からP2Pを利用した児童ポルノファイルのシェアなどを監視していました。2013年の9月、刑事であるAmy Yardley氏が児童ポルノのファイルを交換しているマリン郡のIPアドレスを探していたところ、サウサリート市のネットワークで児童ポルノと思しきファイルがダウンロードされていることを発見。

by photosteve101

Yardley氏から情報を受け取ったサウサリート市警のBrian Mather氏は、児童ポルノをダウンロードしたと思われるインターネットユーザーの住所を特定して捜査チームと共に家宅捜索を行ったのですが、いくら探しても問題となるファイルが見つからなかったとのこと。家主は家宅捜索と罰金の可能性を考え意気消沈していたのですが、無実を証明すべく、ここ数カ月で家に立ち寄ってWi-Fiを利用した人の名前リストを提出しました。

数カ月にわたる捜査の末、Mather氏は32歳のMark Magner容疑者へとたどり着きます。そしてMagner容疑者の自宅を捜索しPCを押収したところ、子どもや青少年たちが性的な行いをする写真やムービーが発見されました。

2014年4月22日、Mather氏はMagner容疑者を逮捕し、5月9日にマリン群地方検事は「児童ポルノの所持と管理」の罪でMagner容疑者を告訴しました。Magner被告の抗弁は今週から始まる予定です。

by Lotus Carroll

自分の物を誰かに貸すという行為は、それだけで多少なりともリスクを伴います。タバコを買いに行く叔父に車を貸したら、その車で叔父が人身事故を起こす可能性も考えられるからです。しかしインターネットデバイスについては、たった数時間貸しただけで、自分のIPアドレスを使って誰かを中傷したり、スパムメールを送ったり、詐欺を行ったり、ハッキング、違法ダウンロードなど数々の行為が簡単に行われてしまいます。

今回の事件のような事態が起こってしまわないように何らかの対策を個人レベルで講じるべきなのは確かですが、パスワードを設けて勝手にインターネットへアクセスされないようにしたり、客に対して利用規約にサインさせたりということをやりたがる人は少ないはず。客用のネットワークを設定することも技術的には可能かもしれませんが、リスクを減らすために何をすればいいのかという現実的な解決策がまだ存在しないのが現状です。

今のところ今回のようなケースはまだまれですが、家でリラックスしている自分の元に警察がSWATを送り込む可能性があることを留意しなければならない、とArs Technicaは指摘しています。

ちなみに、日本でも2014年5月現在、児童ポルノ禁止法改正案の成立に向けて与野党5党が話し合いを進めています。実際の児童性犯罪と関係なく「児童ポルノ」という単語が一人歩きしているのではないかということで「児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼んでください。」という署名活動が行われていたりして、改正案ではアニメやCGは削除されることになっているものの、記事中で事例として挙がっている「孫の水浴び写真で祖父母が逮捕される」というニュースは、決して対岸の火事ではなかったりします。