「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)は、年金積立金を安定的に維持するために、国債中心の低ボラティリティ運用を行なってきた。今後、日本株をより多く買いいれて多少の積極運用を目指すようになれば、日本株の上昇は大きく期待できることになるいっぽうで、GPIFの収益率の変化は、これまでとは大きく様変わりする可能性がある。

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4月16日に麻生財務大臣が、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(以下GPIF)に関して「6月以降に動きが出る」と発言し、日経平均が400円以上も上昇した。GPIFとは、06年に設立された公的年金の自主運用のための独立行政法人であり、現在その17%が日本株式で運用されているが、その比率が大幅に引き上げられれば株式市場が活況になると期待されている。そしてどうやら6月以降に、GPIFの買いが始まりそうだ。人気株情報サイト、闇株新聞の著者に聞いた。

桁外れの資金の超保守的な運用にピリオド
日本株比率10%アップで13兆円の買い!

 安倍首相は、消費増税実施による景気の落ち込みを避けるためには日銀の追加金融緩和とともに、このGPIFの日本株式組み入れ比率拡大で株価を上昇させる必要があると考えている。株価さえ上昇すれば景気が上向くと考えるのもやや安直であるが、ともかく株式市場の期待感が一気に盛り上がった。

 GPIFは、129兆円の運用資産を抱える「世界最大の年金基金」だ。第2位がノルウェー政府年金基金の62兆円で、有名なカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は26兆円しかない。

 また、世界中のヘッジファンドの資産額を合計しても260兆円くらいで、単独では最大のヘッジファンドはブリッジウォーターの10兆円だ。つまり規模だけ見ても、日本株式に限らず世界の金融市場に大きな影響を与える「世界最大の年金基金」なのだ。

 ところが、その運用は国内債が中心の保守的なもので、運用を巡って国内や世界の金融市場で注目されることはほとんどない。

 昨年末の資産構成は国内債が55%、日本株が17%、外国株が15%、外国債券が11%、短期資産が2%。もともと日本の公的年金の運用は、年金福祉事業団を通じて財政投融資に丸投げされていた名残で、01年頃から自主運用となったものの、日本国債(それも長期国債)の安定購入がその使命で、日本株や外国株・債券の投資は「おそるおそる」つけ加えられているだけなのだ。

 仮に、GPIFが日本株の組み入れ比率を10%引き上げれば、単純計算で13兆円近い日本株が新たに購入され、昨年1年間の外国人投資家の買い越し額15兆円にほぼ匹敵する。

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