外国人旅行者向け消費税免税制度とは

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日本の少子高齢化、50年後には2.5人に1人が65歳以上に

少子高齢化により、日本の総人口は、2030年(平成42年)の1億1662万人を経て、2048年(平成60年)には1億人を割って9913万人となり、2060年(平成72年)には8674万人になると見込まれています。

さらに、高齢人口(65歳以上の人口)は、2010年(平成22年)の2948万人から、団塊の世代及び第二次ベビーブーム世代が高齢人口に入った後の2042年(平成54年)に3878万人とピークを迎えます。その後は一貫して減少に転じ、2060年(平成72年)には3464万人となります。そのため、高齢化率は2013年(平成25年)には25.1%で4人に1人を上回り、50年後の2060年(平成72年)には39.9%、すなわち2.5人に1人が65歳以上となることが見込まれています(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」より)。


日本の財政に期待される外国人旅行者の位置づけ

この4月から消費税が5%から8%に増税され、多くの国民の家計を直撃しています。来年10月に予定されている10%への増税を含め、少子高齢化が進む我が国の社会保障対策は国民に負担を押し付けるものになっていますが、現在の年金等社会保障の水準を維持するためには「消費税率を25%にしなければならない」という推計もあるほど「社会保障と税の一体改革」は、今後も私たちの財布を直撃する課題ということになります。

我が国の少子高齢化対策・社会保障の財源確保への国民からの強い要求に対し、アベノミクスの3本目の矢である「日本経済の成長」は不可欠になっています。日本人や日本企業の消費のみでは成長に限界があるため、外国人が日本に来てお金を使う(消費する)ことが重要になってきます。

議論ばかりが先行し、実行に移せない法人税減税による外国企業の日本進出が進まない現状をよそに、平成26年の税制改正により本年10月1日から、外国人旅行者の増加と消費拡大を期待して、外国人旅行者向け消費税免税制度が拡充されることになりました。


免税措置には恩恵の反面、厳格な規制も

外国人旅行者向け消費税免税制度では、食品類、飲料類、たばこ、薬品類及び化粧品類も含め、一定条件のもと、全ての品目が免税対象品目となりました。また、日本の免税店について、外国人旅行者からの識別性を向上させ利便性を高めること、免税店のブランド化・認知度向上を図ることを目的として、ピンク色の日の丸に桜の花と花びらが散りばめられ、「Japan.Tax-free Shop」の文字をあしらった免税店のシンボルマークが創設され、運用が開始されています。

一方、免税店を運営する事業者にとっては外国人による消費拡大の期待増大というメリットばかりではありません。外国人に「免税」という恩恵を与えるので、「旅行者1人あたり、 同一店舗で1日に販売する新規対象品目の額が、5000円超50万円までの販売であること」「定められた方法で包装すること」「購入後、30日以内に輸出をすることを、免税購入する旅行者が誓約すること」などが必要となっています。

免税店シンボルマークの使用にあたっては、観光庁の承認を受ける必要があるので、観光庁へ使用の申請をしなければなりません。経理総務部門に弱さを持つことが多い中小企業にとって規制の多さは、「痛しかゆし」といった部分もあります。グローバル化が叫ばれる中、国内に居ながらにして「お客についてはグル―バルな集客」ができるのが外国人旅行者向け消費税免税制度です。本制度を利用するのも企業のグローバル化といえるかもしれません。そういった意味では挑戦してみたい制度かもしれません。


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