お米について考える!21_21 DESIGN SIGHTで「コメ展」

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はるか遠く、縄文時代からお米を作って食べ続けてきた私達日本人。その歴史は3000年以上も前から続いているだけに、長い間受け継がれてきた「米食」のDNAは強いもの。どんなにパンや麺類が好きな人でも、お米のご飯を一切食べずに育ったという人はほとんどいないのでは?

東京ミッドタウン・ガーデン内にある「21_21 DESIGN SIGHT(トゥーワン・トゥーワン・デザインサイト)」では6月15日(日)まで、そんなお米について考える企画展「コメ展」を開催中。

ディレクターは21_21 DESIGN SIGHTのディレクターでグラフィックデザイナーの佐藤 卓氏と文化人類学者の竹村真一氏。
日本人にとっての「コメ」を、経済や祭礼など生活の根幹にあるものとして捉え、「それは、人の営みを支える『関係』であり『仕組み』であり『方法』なのです」と言う佐藤氏。そして、文化人類学の立場から「“知っているつもり”のコメを新たな視点で見直したい。コメの可能性を見つめ直してみたい」とする竹村氏。
異なるバックグラウンドを持ちながらも、同じ未来を見つめる2人のディレクションは多種多様。私たちの暮らしにとても身近なお米を、アートと文化の視点からそれぞれのアプローチで見つめる試みは、改めて日本人のコメ文化について考えさせてくれるはず。

たとえば、約360倍に拡大した籾や玄米や白米の模型には、「知ってるつもりで知らなかった」お米の姿が。また、お茶碗一杯分でほぼ3000粒といわれる米粒の、そのひと粒ひと粒のためにつくった極小の器「ひと粒茶碗」を見れば、そのすべてに人の手と天の恵みが宿っていることを実感できそう!

農学校の教師を勤めながら自ら米づくりをしていた作家の宮沢賢治は、コメを「まったくのいきもの、まったくの精巧な機械」(宮沢賢治『春と修羅・第三集』「和風は河谷いっぱいに吹く」より引用)と表現したとか。その言葉を胸に、「コメ展」でお米を見直してみてはいかが?