投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、5月26日〜5月30日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、25日のウクライナ大統領選挙を受けたウクライナ情勢に警戒しつつ、28日の黒田東彦日銀総裁の講演、30日に発表される日本と米国のインフレ指標に注目する展開となる。

 6月に発表される予定の安倍政権の新成長戦略や、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額期待から下げ渋る展開が予想される。

【黒田日銀総裁講演】(28日)
 黒田日銀総裁が、5月20-21日の日本銀行金融政策決定会合で現状の金融政策の維持を決定した後、「量的・質的金融緩和は所期の効果発揮」と述べたことで、追加緩和観測が後退した。しかし、ドル・円相場がリスク回避の円買いや追加緩和後退の失望感から100円台に続落した局面では、「為替が特に円高になっていかなければならない理由はない」と円高に対する牽制発言をしている。

 6月の安倍政権による新成長戦略発表に合わせて、6月の日本銀行金融政策決定会合で異次元の量的・質的金融緩和第2弾が打ち出される可能性があることで、発言内容に注目することになる。

【米国4月コア個人消費支出(PCE)価格指数】(30日)
 米国連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している米国4月のコア個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比+1.4%と予想されており、3月の+1.2%からの上昇が見込まれている。予想通りならば、FRBの利上げ時期が2015年上半期に前倒しされるとの観測が高まることになる。

【日本の4月コア消費者物価指数】(30日)
 4月の消費増税の影響を受けた4月のコア消費者物価指数は、前年比+3.1%と予想されており、3月の+1.3%から+1.8%程度上昇することが見込まれている。消費増税の影響は+1.7%程度と試算されていることで、予想通りならば、実質的には3月とほぼ変わらないことになる。

 2015年10月の消費増税10%の判断材料が、2014年7-9月期の国内総生産(GDP)となることで、6月の日本銀行金融政策決定会合での追加緩和観測が高まりつつある。

【本邦機関投資家の外貨建て資産投資】
 6月からのGPIFによる外貨建て資産への投資増額観測が高まっていることで、本邦機関投資家による新規の外貨建て資産への投資増額が期待されている。

 5月26日-30日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)4月耐久財受注− 27日(火)午後9時30分発表
・予想は、前月比-0.7%
 参考となる3月実績は前月比+2.6%で市場予想を上回った。ほぼすべての部門で受注増が確認された。航空機を除く非国防資本財は+2.2%。4月については、3月に大幅増加した反動で減少する可能性があり、市場予想は妥当か。

○(米)5月消費者信頼感指数− 27日(火)午後11時発表
・予想は、83.0
 参考となる4月実績は、82.3で3月の83.9から低下した。ただし、2008年1月以降では2番目に高い水準だった。期待指数は84.9に上昇した。5月については、先行指標となる5月ミシガン大学消費者信頼感指数が低下していることから、現況指数はやや伸び悩む可能性がある。

○(日)4月全国消費者物価コア指数− 30日(金)午前8時30分発表
・予想は、前年比+3.1%
 参考となる東京都区部の4月消費者物価指数コア指数は、前年比+2.7%だった。消費税率引き上げの影響を除くと、物価上昇率は3月と同水準だったもよう。円安効果は弱まりつつあるようだ。全国レベルでも大きな差はないと推測されており、市場予想は妥当か。

○(日)4月失業率− 30日(金)午前8時30分発表
・予想は、3.6%
 参考となる3月実績は3.6%で2月と同水準だった。3月の有効求人倍率はやや上昇したが、有効求職者数は前月比-1.7%。4月については、求職者数の急増は想定されていないことから、失業率は3月と同水準となる見込み。

 主な発表予定は、27日(火):(米)3月S&P/ケース・シラー住宅価格総合指数、29日(木):(米)1-3月期国内総生産改定値、30日(金):(日)4月鉱工業生産、(米)4月個人消費支出

【予想レンジ】
・ドル・円99円00銭-104円00銭