来年解禁「物価連動債」のメリット

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物価連動国債、2015年1月から個人にも解禁

これまで、個人による保有が認められていなかった物価連動国債が、2015年1月から個人にも解禁されることになり、にわかに注目を浴びています。

物価連動国債とは、物価の変動に合わせて元金が増減する国債のことをいいます。例えば、額面金額1000万円、表面利率3%の物価連動国債を購入したとします。6カ月後にCPI(消費者物価指数)が2%上昇した場合、元金は1010万円=1000×(1+0.02×6カ月/12ヶ月)に増えます(この変動する元金を想「定元金」といいます)。そのとき支払われる利子は、15万円(1000×0.03×6/12)ではなく、15万1500円(1010×0.03×6/12)となります。

つまり、表面利率は発行時に固定され、元金のみがCPIに連動して増減するのですが、利払い時には当初元金ではなく変動後の想定元金に表面利率をかけて利子が計算されるので、元金が増えると利子も増えるという仕組みです。その逆に、元金が減ると利子も減ります。

償還時には、想定元金が支払われるので、償還時までにインフレが進み想定元金が増加していると、元金増加分も収益となるのです。


個人投資家のメリットはインフレヘッジ機能など

現在の商品内容は、満期10年、元金は全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、いわゆるコアCPI)に連動、最低額面金額10万円、6カ月毎の利払いとなっています。そして、昨年10月以降に発行されている物価連動国債には、償還時の元本保証がついているのです。

変動という意味では、すでに、個人向けのものとして変動10年国債がありますが、こちらは6カ月毎に適用利率が変わる変動金利型の商品であり、元金は変わりません。適用利率は10年固定利付国債の実勢金利に連動して決まります。
では、物価連動国債は、個人投資家にとってどんなメリットがあるのでしょうか?

■インフレヘッジ機能が期待できます。株式や不動産もインフレヘッジ機能があると言われていますが、物価連動国債は直接物価に連動するところがわかりやすいと言えましょう。
■昨年発行分より元本保証が付いたので、リスクを抑えたい人に向いています。
■リスク分散のための分散投資の一資産として考えることができます。
■これまで、個人は物価連動国債を組み入れた投信を通じてしか投資できませんでしたが、直接投資可となるので、投信の信託報酬コストなどがかからなくなります。


もちろんリスクも。商品特性を理解し、投資の是非を検討を

今後、「中長期でみてインフレが進む」と考える投資家には、もってこいの商品特性を備えていると言えるでしょう。また、「10年変動国債との比較では、国債金利を上回って物価が上昇していく」と考える投資家には、物価連動国債の方が投資にふさわしい商品となります。いわゆる金融抑圧政策(公的債務負担の圧縮を目的として、人為的に金利を低く抑え込む政策)が取られた場合に、こうした状況が起こりやすくなります。

ただし、もちろんリスクはあります。
■コアCPIが低下し、想定元本が減り、受け取る金利が減少する。
■通常の債券と同様に、市場金利の上昇により価格が下落する。
■流通量が少ないことによる流動性リスク。

解禁はまだ先なので、商品特性をよく理解した上で、今後具体化する発行要項などを確認し、投資の是非を検討してみてください。


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