配偶者控除の廃止は妥当?

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配偶者控除、廃止・縮小を含めて政府税調で議論

妻が家事に従事するなど、妻の収入が年間103万円以下の場合には、夫の所得税を計算する際に、所得から38万円の控除を受けることができます。これを「配偶者控除」と言います。

配偶者控除の制度は1987年(昭和62年)から始まりました。その趣旨は、専業主婦の「内助の功」に配慮して、税負担を軽減することにありました。配偶者控除は、3月に安倍総理が見直しを指示し、5月には廃止・縮小を含めて政府税調で議論が行われています。


配偶者控除の廃止で、女性の社会進出は進む?

見直しの背景は、「配偶者控除が女性の社会的進出を阻害するから」といわれています。この制度については、妻が収入103万円を超えないように労働時間を抑える傾向があることが、かねてより指摘されていました。典型的な例は、妻がスーパーでパートで働くケースです。年末になると収入を計算して、103万円を超えないようにお休みを取ったりすることが実際に行われています。配偶者控除を廃止すれば、女性が労働時間を気にしないで務めることができるので、女性の社会進出が進むというのが見直しの根拠です。

配偶者控除が創設された時代は、専業主婦の形態が主流でした。現在のように女性が社会進出するようになってくると、時代にそぐわないとの考え方には一理あります。その一方で、配偶者控除がなくなると、専業主婦世帯の負担は増えることになります。現実的には、配偶者控除を利用できるかどうかの基準となる「103万円の壁」の他に、社会保険で扶養に入るかどうかの基準となる「130万円の壁」がありますから、少なくとも配偶者控除を廃止しただけでは労働時間を気にしないで務めるまでには至らないでしょう。


国の少子化対策や子育て支援とも整合性のある政策を

配偶者控除を利用して労働時間を抑えるかどうかは各人の選択ですが、制度がなくなると選択肢自体が無くなってしまいます。配偶者控除を廃止することが、女性の社会進出を促進するかどうかについても慎重な意見も多いようです。

単なる税収確保のための廃止ではなく、国の少子化対策や子育て支援とも整合性のある政策であるべきでしょう。


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