先日、共通ポイント『Ponta(ポンタ)』と、リクルートが運営しているポイントサービス『リクルートポイント』との統合が発表された。時期は2015年の春。詳細はまだ発表されていないものの、ポンタの運営会社にリクルートが出資するとのことから、リクルートポイントがPontaに一本化されるとみられる。
 
 統合によって、リクルートポイントの1000万人を超える会員が合流するため、Pontaは合計会員数が7000万人規模になる予定。そこで、新聞などのメディアは、このニュースについて、同じ共通ポイントの犹斡瓩箸いΔくりで、『Tポイント』(会員数5000万人程度)や『楽天スーパーポイント』(同9000万人程度)との会員数の比較を中心に報道している。

 たしかに、Pontaは、会員数などはポイントの三強といった様相を呈しているが、実態となると、少し違うと言わざるを得ない。ポイントサービスの目玉となるキラーコンテンツが、コンビニのローソン以外、見あたらない状態だからだ。Tポイントや楽天スーパーポイントとは、ポイントサービスの性格が若干違うものの、三強とするには明確な犧広瓩存在している。今回の統合は、そうした差をキャッチアップするための本格的な第一歩なのである。

 リクルートポイントとの統合で、街中の小売店や飲食店、または小規模のサービス事業者の提携先が一気に増加する。おそらく、ポイントサービスにおける、リアルでの小規模事業者との提携は最も多くなると思われる。単に大手チェーンとの提携を取る、といったこととは違う戦略だ。実は、そうした街中の小規模事業者は、「O2O」(「オー トゥ オー」オンラインとオフライン間の送客)ビジネスの主戦場と見られており、このO2Oではライバルよりも一歩先を行くことになるだろう。

■飛躍的に向上する『リクルートカード』の利便性

 一方、リクルートポイントは「統合される側」だが(※2015年春以降、存続するかどうかは不明)、ユーザーにとっては、統合のメリットは非常に大きい。ポイントを貯められる『リクルートカード』の利便性が飛躍的に向上するからだ。

『リクルートカード』
『リクルートカード』

 もともと、リクルートカードのスペックは高い。年会費無料でポイントの還元率は1.2%。そして、電子マネー『nanaco』のチャージに使うと、利用金額の1.2%分のチャージポイントが付く。リクルートの運営する『ホットペッパーグルメ』や『ポンパレ』などで使うと、還元率はさらにアップする、といった具合だ(カードの種類には、年会費2000円でポイント還元率が2%という上位カードの『リクルートカードプラス』もあるが、年会費がかかる分だけ、コストパフォーマンスは低下するとみる)。

 ただし、リクルートカードには、ウィークポイントがある。貯めたリクルートポイントが、ホットペッパーグルメやポンパレ他のリクルートの運営するサービスでしか使えない点だ。つまり、ポイントの利用先がかなり限定されているのである。しかし、このポイントの出口の狭さは、Pontaとの統合で解消されるだろう。ローソンでも使えるようになるからだ。リクルートカードのユーザーがかなり増えるのではないか。

 実は、Pontaは、この統合以外にも、新しいサービスをいくつか提供し始めている。その中でも、最も注目すべきなのは、3月からスタートしている、お買い上げポイントずっと2倍! だ。ローソンで、『JMBローソンPontaカードVisa』または『ローソンPontaカードVisa』でクレジット払いをすると、100円(税抜)につきPonta が2ポイント貯まるというもの。何とポイント還元率は2%。キャンペーンではなく、期限なしで継続していくという。この2つのカードを使うと来店ポイントも1ポイント付く。このサービスは、ポイント還元率2%があたりまえとなる、大きなきっかけになると考えている。

『JMBローソンPontaカードVisa』

『JMBローソンPontaカードVisa』

『ローソンPontaカードVisa』

『ローソンPontaカードVisa』

 Pontaの実力が向上すれば、ポイントサービスの競争が激しくなり、ひいてはユーザーの利便性のアップにつながるだろう。すでに、楽天カードは、今秋、サークルKサンクスとの提携を発表している。国内の景気が良くなれば、さらにこうした動きは続くはずだ。

文/松岡賢治

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。最新刊に『人生を楽しむマネー術』(共編著)。