このところ、人手不足で休業する店舗が相次いでいる牛丼チェーン『すき家』。事態は相当深刻らしく、一部では時給1500円でスタッフ募集をかける店舗も現れている。

そんな『すき家』を運営するゼンショーホールディングスの社長のある発言が、読者を“激おこ”させている。

労働者の怒りを燃え上がらせたのは、5月14日付の朝日新聞の記事中で、ゼンショーの小川賢太郎社長が「日本人はだんだん3K(きつい、きたない、危険)の仕事をやりたがらなくなっている」と答えた部分。自分の会社の労働環境にも関連する問題のはずなのに、どこか他人事に聞こえるこの発言に対し、読者は大反発。
以下、『Twitter』と2ちゃんねるの反応

・自分のところの仕事が3Kだと認めたぞ
・飲食店が汚いと認めるってどうなのよ
・じゃあ“ワンオペ”をお前がやってみろ
・労働に見合う報酬がもらえればやりたがるやつはいるだろ
・吉野家と松屋は運営できているようだが
・待遇と労働環境の問題を日本人論にすり替えるな
・そういう職場環境作ってる自分の無能さを自覚しろよ
・人間をなんだと思っているんだ?
・バイトを奴隷としか思ってないからできる発言
・奴隷からかき集めた700億で食う飯はうまいんだろうな

“ワンオペ”とは、「ワンオペレーション」の略で、店舗を1人だけで回すこと。『すき家』はこの“ワンオペ”の時間帯が他の飲食チェーンに比べると特に長いようだ。調理・接客・会計・食器洗いなど、すべての業務を1人でこなさなければならないため負担が大きく、防犯上の問題もある(事実、牛丼店への強盗事件のうち約85%を『すき家』が占める)。また、後片付けが追いつかずに使用済み食器が山と積まれた不衛生な店内の写真がネットにアップされるなど、客からの評判も散々だ。

恐らく本人は一般論として「3K仕事やりたがらない」と述べたつもりかもしれないが、このような自社店舗と労働者の悲惨な状況を正しく認識していれば出てこなかった発言ではないだろうか。よもや自分の会社が“ブラック企業”だとは夢にも思っていないのだろう。資本家・経営者の意識がこれでは、たとえ時給1500円もらえたとしても、一般の労働者にとっては景気の回復など実感できそうにもない。

画像:“ワンオペ”の実態を告発した『Twitter』アカウントより

※この記事はガジェ通ウェブライターの「ろくす」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?