いつもお世話になっているBank of Commerce(Petron Bel-Air支店)の入り口【撮影/志賀和民】

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フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者のためのなんでも相談所」を運営する志賀さんのフィリピンレポート。いったん取得すると、延長も再入国などの手続きも不要という、フィリピンの「特別居住退職者ビザ」。世界でもまれな優遇されたビザのひとつだ。預託金の手続きの変化とそのポイントを紹介します。

世界でもまれな優遇された永住ビザ

 フィリピンでは35歳以上のすべての外国人を対象に「特別居住退職者ビザ(SRRV)」を発行している。これはいったん取得すると、無期限滞在の特権を与えられ、延長・再入国許可・出国許可などの手続きも不要という世界でもまれな優遇された永住ビザだ。

 SRRVは「クラシック」と「スマイル」の2種類あり、クラシックは年齢に応じて2万ドル=約200万円(50歳以上、年金申請では1万ドル=約100万円)ないし5万ドル=約500万円(35歳以上50歳未満)の定期預金が必要だが、ビザ取得後は住宅取得などの投資に使うことができる(その場合、投資額は5万ドル=約500万円以上必要)。スマイルは35歳以上一律2万ドル(約200万円)で投資への転用はできない。どちらも年会費360ドル(約3万6000円)を前払いで支払う必要があり、ビザをキャンセルした場合、預託金は全額返金される。

 この預託金はPRA(フィリピン退職庁)の認定銀行に預けることになっているが、フィリピンの中堅銀行で日本人退職者の利用も多いBank of Commerce(BOC)がPRA認定銀行からはずれ、預託金を他の金融機関に移さなければならないという通知が出された。

 BOCが認定から外れた原因は、昨今の低金利により、銀行からPRAに支払うコミッションの原資が不足したからだ。銀行としては預金が増えれば増えるほど持ち出しも増加し、その負担に耐えることができなくなりPRA認定を辞退するにいたったそうだ。

 BOCはPRAにコミッションの減額を交渉したが、PRAは頑なにそれを拒否したそうだ。この状況は他の銀行も同じで、早晩、他行も追随する恐れがある。

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