「100円」の安さをアピールする自販機。中古で売られる前のロゴが残るものもある。好立地の親戚や知人の土地に置かせてもらうのも手だ

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街角でよく見かける「100円」を売り物にした自販機。なぜ値段を安く設定できるのか? はたして儲けは出ているのか? 

実は今、この“インディーズ系”自販機設置の副業が、消費増税で狙い目だという。

■増税でも100円据え置きでバカ売れ!

自分は何もせず、機械がせっせと稼いでくれる“お手軽系副業”の代表格が、飲料自販機の設置だ。自宅前などに置いておくだけで、勝手に“貯金箱”になってくれるのだから頼もしい。

飲食店経営の傍ら、自販機でも稼いでいるC氏(46歳)が、そのシステムを説明する。

「自販機は、飲料メーカー系列の業者と契約する方法もありますが、1本10円程度の収入なので面白みがありません。私がやっているのは“インディーズ系”の自販機を自分で買って置く方法です。

これは、業界用語で“べっぴんさん”と呼ばれる白い自販機をいかに安く入手できるかがポイント。新品は約120万円もしますが、業務用の冷蔵庫屋さんに、廃業店やリース落ちの優良中古自販機がないか声をかけておくんです。

高価な薄型よりも安い標準タイプ(360本セット型)だと、3年落ちが約20万〜30万円で入手できて、少なくとも5年は使えますからね」

消費税が8%になり、1円玉が使えないために飲料メーカー系の自販機は多くが120円から130円に値上げした。C氏によると、これがインディーズ系自販機への追い風になっているのだという。

「メーカー系の定価自販機が近くにあれば、こちらは対抗して100円で販売するのでバカ売れです。仕入れは現金卸問屋で1本38〜60円程度の飲料を購入。粗利(売り上げから原価を引いたもの)を平均50円程度の基準にして、商品ラインアップを考えます。電気代は24時間使いますので、月に5000円前後かかりますね」

ちなみに全国の自販機の平均売上額は1台当たり月に4万円弱。駅への通勤ルートや公園横など人の流れが見込める“好立地”ならば、月50万円も可能だという。

「自分の家が好立地にあればベストですが、そうでない場合は、いい場所の持ち主に設置をお願いすることになります。その際は、1台当たり月1万円の地代か、売り上げの3割を渡すケースが多いですね。人通りの多い場所に3台置けば、最低でも月20万円の副収入は狙えますよ」(C氏)

見事な“べっぴんさん”たちの稼ぎっぷりだが、何か落とし穴はないのか?

「やはり、売れない場所に設置してしまうのがいちばんダメです。月の売り上げが2万円を切るようだと、稼ぐどころか、機械の減価償却、仕入れ代、地代、電気代などで赤字になってしまうでしょうね。

それから、商品セレクトのミスも痛い。安さに惹かれて仕入れたノーブランドのジュースがさっぱり売れず、消費期限が迫るなか、毎日まずいジュースを自分で飲むハメになりました(苦笑)」

仕入れのセンスは重要なのだ。

(取材・文/奥田圭三郎 頓所直人 興山英雄)