岡田武史氏、「FOOT×BRAIN」生出演で1998年の「カズ落選」を語る

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前日本代表監督の岡田武史氏が10日、「FOOT×BRAIN」(テレビ東京系)に生出演し、1998年のフランスW杯直前で三浦知良、北澤豪の2選手を落選させた内幕を語った。

番組では「選手選考」をテーマにトークが展開される中、司会の勝村政信が「いろいろと物議を醸しましたけど、98年の時はベテラン選手を外しまして…」と、岡田氏におそるおそる切り出した。

それに対し岡田氏は「カズと北澤をね」と笑みを浮かべつつ答えた。勝村が「あれは驚きました」と当時を回顧すると、98年フランスW杯日本代表でもあった秋田豊氏が「僕らも驚きました」と感想を述べた。

岡田氏は三浦、北澤の両選手を外した経緯について「あのとき僕も若かったし、必死になって考えて…。正直、カズはあのときあまり調子は良くなかったですよ。(調子が)戻ってきてくれと思ったんだけど、『こういう時はこうする』とかいろいろな状況を想定した時に一番出てくる回数、場面が少なかったんですよね。僕の中で。僕はチームが勝つためにはこうするべきだと思ってやった」と語った。

岡田氏がフランスW杯での選手選考について語ることは非常に珍しく、また生放送でもあったため、スタジオには緊迫した雰囲気が張りつめる。

そして三浦知良がつけていた背番号11を引き継ぐ形でフランスW杯メンバーに選ばれた小野伸二について岡田氏は「あの時のチームはヒデ(中田英寿氏)がいなければ攻撃にならなかったですよ。ヒデが万が一、怪我をしたらどうするんだと。(小野)伸二の“天才”に賭けるしかないかなと」「ヒデがいない時はどうするんだと(いう策が)、僕の中では浮かばなかった」と、当時のチーム内情を交えて選考理由を述べた。

サッカーファンの間ではいまだに賛否両論のある「カズ落選」だが、岡田氏は「いろいろ言われましたけど後悔はしてません」とキッパリ。

また、秋田氏に選考の際、11人のイレブンから決めるのか、チームの全体像から決めるのかと問われた岡田氏は、「スタメンみたいなものは自分の中にあるわけよ。その後はコイツが怪我をしたり調子が悪かったらどうするか。(他の選手のポジションを)こう動かしたらいけるなとか。16〜17人くらいのメンバーはスッと決まる」と、選考プロセスを説明した。

しかし、その後はやはり悩み、いろいろな状況を想定しながら決めるようだが、「答えは出ないんだよ」とポツリ。

そして「答えが出れば僕らの仕事は簡単。僕らの仕事は決断するのが仕事で、この選手とこの選手、こっちを使えば勝率が50%でこっちは60%……というものではない」「理屈で考えて答えが出ない時にどうするか、直感なんですよ」と岡田流の思考法を明かす。

その直感は「こうしたら恨まれる、叩かれる」といった「私心」があると当たらなくなるそうで、私心なくチームが勝つための策を考えられる状況になるために自分を追い込むのだという。

「どういう決断をするかよりも、どういう状況で決断をするかが大事」と総括した岡田氏に、勝村は「厳しいですね。胃に穴が開きそうです」と感嘆の声を漏らした。

ブラジルW杯でサプライズ選考はあるかとの質問に、岡田氏は「大久保はありうる」と答えた。

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