バルセロナDFダニエウ・アウベスによるライフスタイルのレッスンは、まだ終わっていなかったようだ。4月27日のビジャレアル戦で、開催地マドリガルのスタンドから投げ込まれたバナナを拾って食べ、愚かな人種差別に対して効果的な返答をしてみせたのに続き、今度はそのバナナを投げた26歳の男性に対して理解を示すように訴えたのである。

バナナを投げた男性は、厳しいリアクションを受けることとなった。ビジャレアルからはマドリガルへの生涯入場禁止を命じられ、クラブとの一切の協力関係を認めないとされた。スポーツ法では2年のスタジアム入場禁止を科された。刑事事件としても逮捕され、人種差別による罪で3年の禁固刑となる可能性がある。

そして今、男性はビジャレアルの下部組織という職場でも解雇されそうになっている。ビジャレアルによる当初の1万2000ユーロ(約168万円)という罰金に加え、国の内務大臣が求めた6000ユーロ(約84万円)も加わった。

だが、この男性の“救済”に動いたのがD・アウベスだ。『RAC1』のインタビューで、同選手は次のように述べている。

「彼にまた仕事をあげてほしい。僕は誰のことも傷つけたくないんだ。おそらく彼は、ジョークをしたかっただけなんだよ。それで大混乱になってしまったんだ。彼が再びチームに戻されることを求めたい」

「一部バルササポーターの批判? 僕のあり方が受け入れられるなら良いし、そうじゃないなら別のところへ行く。好まれようが、そうじゃなかろうが、僕はこのクラブの素晴らしい歴史の一部なんだ。でも、僕にはエネルギーが必要なんだよ。幸せでいなければいけないんだ」