この4月から東京にある昭和女子大学グローバルビジネス学部に着任し、約1か月が経過した。「女子大に赴任する」と言うと、それを聞いた男性の10人中10人が「いいなあ〜」と反応し、彼らのほとんどは「変な間違いを起こさないように気を付けてね」とニヤニヤしながらおせっかいなアドバイスをくれた。

 前職の小樽商科大学でも、学部生の半分弱は女子学生であったので、別に女子大生と接すること自体は大学教員という職業に就く限りなんら珍しいことではなく、日常茶飯事である。しかし、ひとたび「女子大」となると、どうも響きが違うようで、不思議なものである。

 なぜ女子大に赴任したかと言えば、単純に必要としてくれたのでということになるが、一方で、ダイバーシティマネジメントや女性の活躍推進が声高に叫ばれる一方、いつまでもそれが声高に叫ばれている現状に違和感も覚えていたので、その解決の糸口らしきものが見えるかもしれないという思いもある。

 先般お会いした企業経営者からも、「ビジネスが専門で女子大に勤務する男性は少ないでしょうから、きっといいご経験になるでしょうね。何かプロジェクト等一緒しましょう」と声をかけていただいた。

男性のみんなが羨む職場:さて、実際は・・・?

 さて、そんな女子大に赴任してみて、「実際どうよ?」ということであるが、日々の生活においてはここが女子大であることを意識することは不思議なほどない。

 おそらく一般のビジネスパーソンも、顧客が男性であろうが女性であろうが、大きな違いはないのではないだろうか? 自分が提供すべきサービス、届けるべき商品を粛々と提供しているに違いない。

 「いや、そうは言っても女子大は違うでしょ〜」なんて声が聞こえてきそうであるが、そう思うのは大人だけだと思われる。というのは、1年生向けの基礎ゼミの初回の授業で全員自己紹介を行い、最後に私も行ったのであるが、

「センセーいくつなんですか?」
「39歳、今年で40歳」
「げ、アラフォーじゃん」

 この会話にすべて集約されているように彼女たちにとって、「アラフォー」イコール「向こう側の人間」なのである。こちらの生徒に対する接し方も小樽商科大学にいた頃と何ら変わることはなく、授業中はじゃんじゃん生徒を指名して答えてもらい、課題をバンバン出すので、さっそく「授業のキツイハマりの先生」へまっしぐらである。

おじさん二人が女子大のカフェテリアでランチをするとどうなるか

 そんな中、打ち合わせのために学外の方が来学され(Aさんとしておこう、私と同じアラフォーの男性である)、ちょうどランチタイムに重なったので、カフェテリア(学食)でランチを一緒した。

 実は私自身も初めてカフェテリアを利用したのであるが、われわれオジサンたちの典型的なランチ時の行動と言えば、さっさと食事を済ませて「さて、コーヒーでも飲みますか?」である。しかし、ここは大学のカフェテリア。ドトールのような淹れたてコーヒーは置いていないだろうなと思いつつ、メニューを確認すると、やはりない。スイーツはいくつかあるが淹れたてコーヒーはなかった。「まあ、これは想定内ですね」、なんて言いつつ、われわれオジサン2人は缶コーヒーを買い求めて併設されている売店(いわゆる購買である)へ向かった。

 「ない!」
 「え?!そんなはずは・・・!」

 しかし、ないのだ、缶コーヒーが。

 「缶コーヒーがないわけはない」

 われわれはややパニックになりながらドリンクの棚を確認する。しかし、やはり缶コーヒーはないのだ。

 「ええ?!」

 われわれ2人は、缶コーヒーがない場合のバックアッププラン、つまり、コーヒー以外のものを買う可能性なんて全く考えていなかったので、完全に思考停止になった。

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