【1998年フランス大会】
カズこと三浦知良の落選。当時18歳の小野伸二を選出。

【2002年日韓大会】
背番号10番・中村俊輔の落選。中山雅史・秋田豊の両ベテラン選出。

【2006年ドイツ大会】
エース・久保竜彦の落選。巻誠一郎が選出。

【2010年南アフリカ大会】
ベテラン・川口能活の選出。

 これらは、過去のワールドカップに挑む日本代表選手決定時に話題となったサプライズ選出・落選の歴史です。

 サッカーのチームは「生もの」と言われます。技術力の高い選手だけを23人招集したところで、最強の日本代表チームができるわけではありません。人柄や人間関係を考えながら監督はメンバーを編成していくのです。特にワールドカップともなると、事前合宿から数えると1ヶ月、チームが勝ち続けると1ヶ月半もの間、選手は生活を共にすることになります。日韓大会での中山、秋田、前回大会での川口などベテラン選手が選出された背景には、精神的支柱としてチームを支える意味が大きかったとも言われています。やはり最終的には、ピッチ内外での「総合力」が選出の決め手になるのでしょう。

 さて、2014年のワールドカップの登録メンバーがもう間もなく発表されますが、これまでの大会同様に多くのサプライズ人事の噂が飛び交っています。田中マルクス闘莉王、中村俊輔、中村憲剛といったこれまで日本代表で活躍してきたベテラン選手、また豊田陽平、南野拓実、工藤壮人、齋藤学、原口元気、宇佐美貴史、宮市亮、川又堅碁などフレッシュなメンバーの名前も挙がっています。

 そんな中、とりわけ注目をされているひとりが元日本代表の大久保嘉人です。今年32歳になるベテランフォワードですが、昨年度はJリーグで得点王を獲得。今シーズンも絶好調で、さらに川崎F加入した昨年以降、ザッケローニ監督の視察した試合で8戦7ゴールと猛アピールが続いています(5月4日現在)。

 5月3日の甲府戦では、サポーターが「親愛なるザック。我々川崎のヒーローを見てください」などと書かれたイタリア語の段幕を掲げるなど、大久保のサプライズ招集をプッシュ。メディアでも大久保の招集を期待する論調が見られ、サッカー専門家も「勢いのある選手を代表に入れるべき」と肯定派が多いようです。

 近年、好調を維持している大久保でしたが、ザッケローニ監督体制では、ほとんどチャンスを与えられませんでした。最終的に日本代表入りになった場合、どの選手よりもドラマ性のある展開となるのではないでしょうか。

 一方、大久保の代表入りに懐疑的な見方をしている人もいます。元日本代表監督のイビチャ・オシム氏です。雑誌『Number』の最新ロングインタビューでは、大久保をこう評価しています。

「大久保は確かにある時期、日本で最高のストライカーだった。だがそのころから、もっと高いレベルで何ができるかは疑問だった。実際、ヨーロッパで彼は実績を残していない。得点王を獲得できたのも、Jリーグだからではないのか。その点では彼は抜け目なく、日本のチームや選手たちのことをよくわかっている。では国際試合で、岡崎と一緒にプレーしたら、いったいどれだけできるのか......」

 オシム氏は、Jリーグと国際試合は区別すべきと語ります。確かに大久保の国際試合(日本代表時)での結果は下記の通り。

2003年 14試合出場0得点
2004年 3試合出場0得点
2005年 2試合出場0得点
2007年 2試合出場2得点
2008年 12試合出場3得点
2009年 9試合出場0得点
2010年 11試合出場0得点
2012年 1試合出場0得点

 54試合に出場して5得点という結果は、日本代表の点取り屋としては寂しいものがあります。この結果をザッケローニ監督はどう評価するのでしょうか。オシム氏の言うように、国際試合で戦える選手を優先的に選出するのか、または、ベテラン枠としての働きを期待するのか......。

 注目の日本代表発表は5月12日。果たして日本サッカー界の「サプライズ選出の歴史」に新たな1ページが加わるのでしょうか。「その時」が来るのを固唾を飲んで待ちたいと思います。




『Number PLUS「イビチャ・オシム 日本サッカーに告ぐ 2014」 [ムック]』
 著者:
 出版社:文藝春秋
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