現在、アラフォーの俳優の活躍が注目されています。ドラマ『MOZU』の西島秀俊(43)は熱愛の報道もあり、話題の人で、ネットニュースのアクセスが上昇中だそうです。バラエティーなど、マルチに活躍していた大泉洋(41)も、『探偵はBARにいる』シリーズで俳優としての魅力を開花させたほか、エッセーが20万部を超えるヒットしているとのこと。また、『半沢直樹』で大ブレイクの堺雅人(40)、CMでのお茶目なキャラクターも見せる長谷川博己(37)も女性たちの心を射止めています。その人気の理由はいったい何でしょうか。

共通点その1:遅咲き

まず、デビューしたのは早くても、正式にブレイクしたのは最近になってからというのが彼らの第一の共通点でしょう。西島秀俊は1992年にデビュー。『あすなろ白書』や『悪魔のKISS』などのヒット作に出演して知名度はそこそこあったというのに、その後はさほどブレイクするわけでもなく低空飛行を続けました。

大泉洋も同様に、20代だった1995年から活動を続けています。今でこそアカデミー賞俳優ですが、初めて全国ネットのテレビドラマ『救命病棟24時』に出演したのは2005年。やはりデビュー後は地元北海道では活躍していても、東京では低空飛行の期間が長くあります。

また、堺雅人も遅咲きの人です。1992年にデビューしますが、デビュー当初は脇役がほとんど。そんな中、雑誌『テレビブロス』だけは堺雅人推しで、2005年から同誌の「好きな男」特集でナンバー1を飾りましたが、初めて連続ドラマで主演を務めたのは2010年の『ジョーカー 許されざる捜査官』でした。

長谷川博己に限っては、文学座に入所して芸能活動を始めたのは、3人より比較的最近の2001年ですが、その後、世間に知られることになるのは2010年のドラマ『セカンドバージン』で鈴木京香の相手役に抜擢されてからでした。

4人とも、デビューしてから主演俳優になるまでに、かなりの時間を要したのです。この遅咲きにはメリットがあります。長い時間をかけて積み重ねるうちに演技力は確かなものになりますし、徐々に浸透した人気は、急にブレイクした人気よりも、地に足がついたものになりやすいでしょう。

共通点その2:年相応で、普遍的である。

これまでだったら、俳優には、どことなく「華」や「キラキラ」が必要でしたが、最近ブレイクのアラフォー俳優には、「華」や「キラキラ」よりも、「ざらっとした」感覚があります。

例えばSoftBankの広告の「あの男CM」や『半沢直樹』の堺雅人は、わざとツヤツヤした肌質ではなく、生身の男らしさを残した写真を採用されていたように思います。そのほかの俳優さんも年齢より若いイメージを押し出すよりも、年相応で等身大です。しかも、テレビやスクリーンの中に存在しながらも、見ている人の身近なところに存在しそうな姿形が、今となって受けている気がします。

共通点その3:適度に男らしい

昨今、若い世代の俳優は、線が細く繊細でナイーブなイメージだったり、女性よりも美しいのではないかという人が多くなっています。またアラフィフの俳優は、がっちりしていて濃いイメージの人が活躍しています。『テルマエ・ロマエ』の阿部寛(49)をはじめ、佐藤浩市(53)などを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。

上と下の世代と比べると、うまい具合にちょうど中間なのがアラフォー俳優たちです。サラリーマンの役をしても、濃すぎず、薄すぎず、男臭すぎることもなく、かといって頼りなくもなく、適度な男らしさを保っているのではないでしょうか。

例に挙げたアラフォー俳優の中で、西島秀俊だけは普段から鍛えていて、映画やドラマの中でもときおり裸になってマッチョな体をさらけ出すことはありますが、適度に顔が薄いからこそ、女性の受けも上々なのではないでしょうか。

アラフォーという世代は、ロストジェネレーションや団塊ジュニアでもあります。これまで、あまり特徴もなく潜伏していましたが、そのことで逆に実力を蓄えることになり、今になってブレイクをしているのかもしれません。

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(文=芦沢芳子)

画像:Original Update by Jim Wall