ゴールデンウィークに国内旅行を予定している人に旅行先を聞いたところ、もっとも人気が高いのは北海道で2位が沖縄県と東京都だった(フォートラベル調べ)。トップ3の顔ぶれは前年と変わらないが、33位だった島根県が今年は6位へと大きく順位を上げたのが目をひく。昨年、60年ぶりに社殿を新しくつくる大遷宮が話題となった出雲大社がある島根県に、今年も引き続き多くの人が訪れているのだ。

「1〜3月を前年同期と比べると玉造で20%、松江で40%も旅行者が増加しています。出雲大社では大遷宮が行われていますが、なかでも昨年5月に行われた、大国主大神が修造の終わった御本殿にお還りになる本殿遷座祭をきっかけに関東地方からいらっしゃる方、特に女性グループが増えています。東京と出雲を結ぶ寝台特急『サンライズ出雲』は“女子会列車”と呼ばれるほど女性の利用者が多く、週末は予約しづらいほどです」(島根県観光振興課・安田洋介さん)

 出雲大社や宍道湖がある島根県という場所は知っていても、交通の便が悪く遠いイメージが強い島根は、多くの関東に住む人にとって行ったことがない場所だった。昨年6月、島根県が関東地方在住者を対象に調査したところ、島根へ旅行実績があるのは全体の3割、特に若年層ほど認知度が低く、旅行したことがないと答える人が多かった。

 ところが昨年、出雲大社の大遷宮が多くのメディアで取り上げられると、少数派だった関東からの旅行客が急増した。

「これまで島根県へは距離が近い中国・四国地方、近畿地方、九州地方から訪れる方が中心でした。ところが、最近では関東地方が九州を上回り、中国・四国、近畿に続いて3番目に多くなっています。羽田と出雲空港を結ぶ国内線も満席続きで増便されました。きっかけは、テレビで出雲大社など島根県について紹介されているのを見て、という方がとても多いです」(前出・安田さん)

 さらに島根を実際に訪れている女性観光客を調査したところ、カップル(4.0%)や夫婦(17.6%)よりも、女性の友人とともに旅行している人が37.4%ともっとも多かった。

 縁結びの神様として名高い出雲大社を中心とした島根県は、やはり女性の旅行客が目立つ。ところが、昨年、期間限定で観光振興課の県職員が観光案内を実施したところ、予想外の反応が続いて驚かされた。

「実際にパンフレットや案内を求める旅行客の皆さんと多く接してみると、キャリーバッグを持った若い女性が多かったですね。女性グループが多い一方、調査ではっきりした数字がでていることではありませんが、若い男性が明らかに多かったのにも驚きました」(前出・安田さん)

 出雲大社の本殿遷宮祭は昨年5月に終わったが、摂社・末社は引き続き平成28年まで続いており、大遷宮はまだ終わっていない。縁結びの最強スポットと呼ばれることもある出雲大社を中心に、世界遺産に指定された石見銀山や玉造温泉、松江城など島根県への関心はまだしばらく続きそうだ。