20年ぶりの東京での「法隆寺展」。吉祥天立像(左)と毘沙門天立像(右)も出品される

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東京・上野で「キトラ展」に続いてもうひとつ、奈良発の注目の展覧会が4月26日から始まる。「法隆寺−祈りとかたち」展だ。震災からの復興を祈念するもので、毘沙門天立像、吉祥天立像(いずれも国宝)などの仏像や、有縁の美術工芸品などが出品される。東京での大規模な法隆寺展は1994年以来20年ぶりという貴重な展覧会だ。

寺宝の保護、継承に努めた東京藝大美術館が会場

奈良県の斑鳩町にある法隆寺は607年の創建と伝えられ、世界最古の木造建築群として有名だ。金堂、五重塔、夢殿などの伽藍。そこにおさめられてきた「百済観音」「玉虫の厨子」など多数の仏像・美術工芸品。そうした国宝類の圧倒的な多さに加えて、なによりも日本における仏教の受け入れに尽くした聖徳太子ゆかりの寺ということで、日本の古刹の中でも別格の存在となっている。

かつては時折、大がかりな法隆寺展が東京でも開催されてきた。しかし、1998年、寺内に宝物類を恒常的に展示する施設として「大宝蔵院」ができたこともあり、このところ寺の外で法隆寺の寺宝が大々的に公開されることが少なくなっていた。最近では、金堂(国宝)の須弥壇(しゅみだん)修理のため、金堂内の仏像がいったん奈良国立博物館などに移された2008年、同館で「国宝 法隆寺金堂展」が開かれたぐらいだ。

今回は、東日本大震災からの復興を祈念するとともに、新潟県中越地震復興10周年ということで特別に寺宝の数々を仙台、東京、新潟巡回で公開することになった。出品物は会場によって多少異なる。

東京展の会場となるのは東京藝術大学大学美術館。前身の東京美術学校の設立にかかわったフェノロサ、岡倉天心が19世紀末、法隆寺を現地調査し、夢殿の秘仏「救世観音」を開扉したエピソードはよく知られている。その後も大学として法隆寺の寺宝の保護、継承に力を尽くすなど縁が深い。

東京展では、除災や国家安穏を祈る毘沙門天立像、吉祥天立像をはじめ、飛鳥時代から鎌倉時代までの彫刻や絵画、染織、工芸など法隆寺の名宝約40件と、東京芸大と法隆寺との交流を表す約30件の美術、工芸品もあわせて紹介される。6月22日まで。