韓国の旅客船セウォル号の沈没事故で、多数の犠牲者を出した檀園高校の教諭が自殺したことを受け、中国メディア・百度は、韓国が深刻な「自殺社会病」に陥っているとするコラムを掲載した。その概要は以下の通り。

16日に476人を乗せた韓国旅客船が珍島付近で沈没し、死者・行方不明者が300人以上になっている。その中には200人以上の学生、4人の中国人も含まれている。救助された高校の教頭は首つり自殺をした。自殺による謝罪は、韓国の恥の文化の表れとされている。韓国人は、死ねばすべてが終わり、世俗の悩みから抜け出せるという死生観を持っている。歓楽的な韓国ドラマを見慣れた人々には理解しがたいことだが、韓国は先進国で最も自殺の多い国家だ。

韓国の自殺率は、1995年は他の先進国よりも低い水準だったが、97年のアジア金融危機の後から上昇をはじめ、悪化の一途をたどっている。2012年の自殺者は1万4160人、平均で一日39人が自殺した。韓国のような富裕な国家で自殺率がこのように高いことに、政府や社会学者は困惑している。

大量の自殺者が出る根本原因について、社会学者が解読を試みたことがある。高齢者の自殺は、伝統的な家庭単位の崩壊や、経済環境が原因と分析されている。20〜30歳の自殺は、主に経済的な要因だ。韓国では、大学を卒業したての人たちは一般的に“88万ウォン世代”と呼ばれる。月給88万ウォン(約8万7000円)を超えるのが難しいためだ。食事と家賃、交通費を払えば何も残らない。絶望で賭博に走ったり、クレジットカードで多額のローンを抱えたりなどによって、家庭崩壊を引き起こすこともある。離婚は、30〜40歳の自殺で最も多い原因だ。すべての年齢層で言えるのは、非常に多くの韓国人にとって、自殺は現代社会の生活圧力からの逃げ道となっていることだ。

金融危機までは、韓国の大企業は“黄金の茶碗”だった。いったんこれらの企業に就職すれば、勉強や鍛錬の機会、手厚い福利厚生を与えられる。さらに、ほとんどの人が定年まで勤めることができた。職場は韓国人にとって人生の重要な部分であり、彼らは企業のために心を込めて仕事に尽力する。韓国の大企業には強大な労組があり、従業員のために賃上げを勝ち取り、むやみな解雇を阻止してきた。だが、金融危機後、韓国の企業は財務状況や株主の利益を強調するように変化した。大企業は正社員の雇用を減らし、非正規雇用やアウトソーシングを増やし、経営コストを削減した。同時に、産業も急速にモデルチェンジした。サムスンの総裁は韓国がすでに「1%の人材が99%の普通の人を養う時代」に入ったと強調している。企業は高額な報酬で「人材」を雇用する一方で、「普通の人」を雇おうとはしない。非正規雇用の比率は年々増加している。労働力市場は活発になり、企業は競争力を強めているが、国は労働者を守る法律を整備していない。大部分の「普通の人」はただ、アルバイトをするだけで、社会保障も受けられない。

韓国では、自殺は名誉や世間体を守るという意味もある。最近の「世間体自殺者」リストにある名前には驚かされる。廬武鉉元大統領、現代グループ総裁、全羅南道知事、釜山市長、光州大学学長、国家情報院次長、大宇建設社長等々。こうした有名人は自殺することで、悪い模範となっている。また、最近は芸能人の自殺も多い。韓国自殺予防協会が発表した自殺者数を分析すると、2008年10月に崔真実(チェ・ジンシル)が自殺した後、自殺者は3081人となり、前年同期比で1807人増加した。自殺者の中には、有名人と同じ方法を選ぶ人もいる。

模倣自殺は韓国メディアに「ウェルテル効果」と呼ばれている。有名人やアイドルなどが自殺した際、自分を一体視して自殺する現象だ。ウェルテル効果は特に20〜30歳に多い。芸能人ばかりでなく、2003年8月に現代グループ総裁が自殺した際、その月の男性の自殺者は855人にのぼり、前月の737人から急増した。専門家は、「著名人の自殺は心理状態が不安定な一般大衆に大きな影響を与える」と分析している。

韓国は現在、国を挙げて自殺対策に着手している。しかし、その取り組みはまだ十分ではない。自殺予防サービス関連予算は700万米ドル弱に過ぎない。日本はこの方面に1億3000万ドルを投入し、効果をあげている。

韓国の関係機関は、芸能人などの著名人が自殺すると、約600人の大衆に自殺の衝動を起こさせるとの研究結果を発表した。専門家は、「ウェルテル効果」を防止するためには、「メディアが自殺を報道する際は極力圧縮すると同時に、自殺者を決して英雄化すべきではない」と提言している。

(編集翻訳 都築)