光琳と応挙が美を競う☆根津美術館で特別展「燕子花図と藤花図」

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春には春の桜花、初夏には初夏の燕子花・・・。お花見と同様、季節がくると、この絵を見ずにはいられないというファンも多いのが国宝「燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)」。そして今年も、燕子花の季節が到来! 青山の根津美術館では、4月19日(土)〜5月18日(日)の期間、尾形光琳の「燕子花図屏風」を展示する特別展「燕子花図と藤花図 ―光琳、応挙 美を競う―」を開催。

同じく根津美術館所蔵で、近代絵画を代表する作品のひとつ、円山応挙の重要文化財「藤花図屏風(ふじはなずびょうぶ)」とともに展示することで、美を競わせるというのが、今年の趣向。金地に青と緑だけで描かれた鮮やかな花が、大胆なデザインとともに印象的な、光琳の燕子花。一方、応挙の藤は、幹や枝の即興で描いたような筆遣いと、緻密で複雑な色彩を持つ花の描写が美しく、「写生画派」の真骨頂と言える作品に。

対象的な描き方で「美」を表現するふたつの作品は、同じ京都の地で、それぞれ40代の頃に描いた作品ながら、その間には70年ものタイムラグが! 18世紀の作品を、21世紀の東京(江戸)で見比べることができる私たちはラッキーかも。

会場では、このふたつの作品を中心に、重要美術品に認定されている「花鳥図襖(かちょうずふすま)」や、鈴木基一、長沢芦雪などの作品が展示され、近代絵画の名品を堪能できる構成に。

「18世紀初頭の京都で尾形光琳によって生み出された、日本の絵画史を代表する作品のひとつ国宝『燕子花図屏風』。毎年庭園の池のカキツバタの群生が見ごろになるこの時期に展示しています。5月13日〜5月18日は、19時まで開館。初夏の宵に、のんびり美術鑑賞と庭園散策をお楽しみください」と、広報担当の村岡さん。

季節を感じる花の絵を鑑賞した後は、庭園の散策でさわやかな初夏をリアルに楽しめそう!