相続税改正で東京では20〜30%の人が課税対象者に来年1月から、基礎控除引き下げなど相続税が大幅に変わる。また、親から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税特例は今年で終了。今回の対決はこれから家を建てる人、必読!2013年度税制改正で2015年1月から相続税が大幅に変わります。特に法定相続人の数に応じて課税対象の財産額を少なくできる「基礎控除」が、現在の「5000万円+1000万円×法定相続人数」から「3000万円+600万円×法定相続人数」と、4割縮小します。この改正により、課税対象者は亡くなった人の4%から7%へ増え、東京では10%になるといわれています。相続税対策を行なって非課税になる人も含めれば全国で15%、東京では20〜30%の人が課税対象者になるともいわれます。相続税はきちんと準備しておかないと有利な特例を使えないだけでなく、10カ月の申告期限を超えると延滞税まで払うことにもなるのです。そこで昨年来、相続税に関する話題に注目が集まっています。また、直系尊属(父母や祖父母など)から住宅取得資金の贈与を受けた場合には非課税という特例があります。非課税限度額は現在、省エネ・耐震住宅で1000万円、一般住宅で500万円ですが、この贈与税の特例は今年で終了してしまいます。こうしたことから、これから家を建てようという人には「親のお金」で家を建てるという選択肢も十分に検討する必要があります。狄討亡鼎┐襪里魴蕕靴箸靴覆〞のはいいのですが、いざ相続というときになって後悔のないようにしたいものです。「親に相続税がかかるほど財産があるなら、親に住宅取得資金を贈与してもらうことも効果的ですが、親のお金で家を建ててもらい、それを相続時精算課税を使って贈与してもらう、あるいは将来相続したほうが有利」と言うのはFPの金子千春さんです。相続時精算課税は親からもらった財産の贈与税と相続税を精算する制度です。適用は65歳以上の親が20歳以上の子に贈与した場合ですが、住宅取得資金であれば親の年齢要件は撤廃されました(年齢は1月1日時点)。非課税枠は累積2500万円で、直系尊属からの「住宅取得資金の贈与の特例」と併用できますが、基礎控除が毎年110円ある「暦年課税制度」とは選択制です。また、贈与でなく、親が現金を不動産に替えておき(親名義で不動産を取得)、その不動産を相続しても節税効果があります。現金の相続税評価額は100%ですが、土地は時価の約80%、建物は時価の約60%が目安だからです。

一方、住宅ローンを組んで「自分のお金」で家を建てる場合も住宅ローン控除という税制の優遇はあります。ローン残高の1%が10年間控除されるというものです。消費税率5%の物件(今年3月末までの引き渡し物件と、昨年9月末までに建築請負契約を結び今年4月以降に引き渡しを受ける物件)の最大控除額は、10年合計で200万円、消費税率8%、10%の物件は400万円です。なお、長持ちでエコとされる認定長期優良住宅や省エネの認定低炭素住宅で消費税率5%の物件の最大控除額は、10年合計で300万円、消費税率8%、10%の物件は500万円です。そして所得税から控除できない部分は、消費税率5%の物件は1年で最高9万7500円、消費税率8%、10%の物件は同13万6500円が住民税から差し引かれます。さらに、収入が低いなどの理由で所得税などの納税額が少ない人は、住宅ローン控除を拡充しても恩恵が受けられません。そんな場合には収入など一定の要件を満たせば、「すまい給付金」として現金給付されます。消費税率8%時には最大30万円、消費税率10%時には最大50万円です。「自分のお金で家を建てれば自分の財産になりますが、手持ち資金が減り、ローン返済があります。一方、親のお金で家を建てると、将来の相続発生時に、兄弟姉妹が狒菎〞になってしまうことも。有利さを生かすには十分な配慮が必要です」(金子さん)というわけで、今回の対決は「親のお金」に軍配!

今月の対決立会人ファイナンシャル・プランナー金子千春CHIHARU KANEKO日本長期信用銀行(現・新生銀行)を経て、2003年に独立。保険の見直しや住宅ローン、資産運用の相談、セミナー講師として活躍中。
この記事は「WEBネットマネー2014年5月号」に掲載されたものです。