韓国珍島(チンド)周辺で16日朝に大型旅客船「セウォル号」が沈没した事故で、韓国側が19日に公表した安全記録によれば、セウォル号の運営会社である清海鎮(チョンヘジン)海運は、これまでに何度も海上事故を起こしていたことが分かった。羊城晩報が伝えた。

 記事によれば、清海鎮海運はこれまで2〜3年ごとにエンジントラブルや衝突などの事故を起こしていた。これら事故による死者はいなかったものの、セウォル号の沈没事故の3週間前にも清海鎮海運の客船が漁船と衝突する事故をおこしていたと伝えられた。

 沈没したセウォル号が出航前に提出した点検報告書では、乗務員24人と記載されていたが実際の乗務員は29人だったほか、積載貨物や車両の数量も実際より少なく記載されていた。

 また、セウォル号に積まれた貨物は3段、4段にわたって積み重ねられており、さらにチェーンではなくロープで固定されていたため、セウォル号の方向転換によって貨物が一方向に偏り、船体をさらに傾ける一因になった可能性がある。

 韓国メディアは事故直後、セウォル号が1994年6月に日本の造船所で建造された「日本製」であると報じ、日本や中国で「責任転嫁ではないか」との声があがった。事故原因はまだ明確に結論が出されていないが、運営や管理がずさんだったようすがうかがえる(編集担当:村山健二)