ロンドン五輪(2012年)で日本ボクシング界に48年ぶりの金メダルをもたらし、一躍時の人となった村田諒太(28才)。闘いのリングをアマチュアからプロに移し、1年。ミドル級(体重69.85kg〜72.57kg)という世界の強豪がひしめく最難関とされる階級で、世界チャンピオンを目指す彼の素顔に迫った。

 2012年8月、アマチュアとして世界の頂点に立った村田は、スタンドから激闘を見守った妻・佳子さんと金メダルの重みを現地で分かち合っていた。腫れ上がった拳で、愛おしむようにそっと佳子さんの頭を撫でる姿が脳裏に焼き付いているかたも多いだろう。

 あれから2年。プロとして未知の領域に挑み続ける彼の傍には、もうすぐ3才になるヤンチャ盛りの長男と、仲睦まじい妻の姿が変わらずにある。5月16日には待望の第2子も生まれる予定だ。子煩悩で知られる村田が目を細めながら明かす。

「おむつを替えたり、本を読んだりして一緒に遊んでいる時間が何より楽しいですね。毎朝7時からロードワークの時間なんですが、その前に“パパ起きる時間だよ”って起こされて」(村田・以下「」内同)

 そんな一粒種にも実は密かなライバル心を燃やしている。

「妻はぼくよりも息子のほうにつきっきりなんです。けっこう貢いでいるんですけどね(笑い)。先日も感謝の気持ちを込めて高い指輪をプレゼントしたんですよ。ええ、がんばりました」

 4年前、職場恋愛の末に結婚した年上女房の佳子さんは、挫折から一度は引退した夫をこれまでずっと支え続けてきた。そのせいだろうか、今も妻に頭が上がらない様子だ。

「ぼく、キャッシュカードの暗証番号を知らないんですよ。お金のことはすべて妻に任せっきりで…。なくなったらちょうだいっていう生活。悪いことしてるわけじゃないのに、なんか言い出しにくいですよね」

 こう自嘲気味に話すが、その表情はどこかうれしそう。完全な恐妻家なのかと思いきや、さにあらず。愛息の名付けだけは譲らなかったのだという。

「遥かなる、大きな人になって欲しいという願いを込めて“遥”という字を入れたかったのですが、漢字が難しくて書けないやって…(笑い)。親が書けない字をつけられないから、“晴”の字にして晴道(はるみち)にしました。晴れの日の天気のように大らかに育ってほしい、人としての道筋だけは外さないでくれという意味でね」

※女性セブン2014年5月1日号