4月3日、日本相撲協会は理事会、年寄総会を開き、公益財団法人移籍後初の親方たちの職務を決めた。
 注目を集めたのは、理事3期目、貴乃花親方の処遇。すでに続投が決まっていた北の湖理事長から、「あらゆる仕事を覚えて、将来のために頑張ってほしい」と、総合企画部長ほか六つの役職を兼務する実質的なナンバー3に指名された。明らかに近い将来のナンバー1、つまり理事長就任を示唆したバッテキ人事だ。
 「北の湖理事長が直々に帝王学の伝授に乗り出したと解釈していい。現在の理事の顔ぶれを見てもわかるように、40代の理事は貴乃花親方一人。大相撲界はもう16年も日本人横綱が誕生していないあおりを受けて人材不足に陥っており、貴乃花親方以外に将来を託せる人材が見当たらないのが現状です」(担当記者)

 一方、ひどく対照的なのが、これまでナンバー2の事業部長を務め、次期理事長の呼び声が高かった九重親方(元横綱千代の富士)だ。すでに理事選で落選し執行部から外れることは決まっていたが、今回の新人事では理事会に出席できる役員待遇からも外され、ヒラ委員に降格。協会内で発言する機会も失い、完全に干されてしまったのだ。
 「九重親方は次期理事長に強い色気を見せ、最近は北の湖理事長と真っ向から対立していました。理事を落選したのも、北の湖理事長の怒りを買って出羽海一門の票が対抗馬の友綱親方に流れたため。もう九重親方が表舞台に復帰する可能性はないと言っていいでしょう。用意されたポストは八百長を監視する監察委員と、指導普及部所属という閑職です」(大相撲関係者)

 来年6月、新理事長として赤い綱を締め、両国国技館で還暦土俵入りをするという九重親方の夢は、完全に幻に終わってしまった。