Facebookの2歳男児行方不明情報が警察を翻弄。 画像はイメージです

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フランス・オーヴェルニュでこのほど、存在すらしない2歳の男の子が行方不明になっているという狂言の捜索願いが提出され、警察が必死の捜索を行っていたことを英紙『ガーディアン』が伝えている。

TwitterやFacebookを通じての情報提供や捜査協力が功を奏し、事件や尋ね人の解決をみることが増えている昨今、SNSが誇る連携パワーの素晴らしさや社会貢献度の高さを疑う者はいない。だが“ガセネタ”には要注意。このほどフランスの警察がそれにまんまと騙されてしまった。

オーヴェルニュのムーラン警察に現れた、大おばであると名乗るひとりの女。11日にあるスーパーマーケットの駐車場で目撃されたのを最後に、2歳のChayson Basinio君という男の子が迷子になり、その父親である20歳のRayane Basinioさんも行方不明だとして捜索願いを提出した。同時にFacebookでも、“2歳のChayson Basinioを探しています。心当たりの方は…”といった必死の呼びかけが続けられた。警察は真剣にその捜索を続けたが、何日経っても糸口をつかむことは出来ず、付近の湖に無理心中した可能性を視野にダイバーが水中に潜ったりもした。

だが警察はある日、そのページのアカウントの基本情報がすべて偽物で、使用された写真も別人のものであることを突き止めた。Facebookのアカウントを開設したのは女の10代の娘とそのイトコ。ChaysonくんもRayaneさんもそもそも存在しなかったのだ。意図的に誤った情報を提供したり、狂言による被害届で警察を翻弄することは軽犯罪法違反。もしも有罪判決が下った場合は、106万円ほどの罰金と6か月の懲役刑が言い渡されるものとみられている。昨今の犯罪には口裏を合わせるかのようにSNSを巧みに利用しているケースが増えており、警察でも「SNSはまずは疑ってかかれ」が基本的スタンスとなっているそうだ。

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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)