韓国南西部の珍島沖で修学旅行中の高校生らを乗せた旅客船「セウォル号」(乗客乗員計475人、6825トン)が沈没した事故で、日本政府は海上保安庁が必要な支援をする用意があることを伝えた。

ところが、韓国側は日本への謝意を示したものの支援要請は出していない。なぜなのか。日本のネットでは「国民の命より反日が優先なのか」といった声が出ている。

安倍首相は「必要な支援を行う用意がある」

2014年4月18日夕までに179人が救助されたが28人の死亡が確認され、行方不明者は268人にのぼる。船内にはまだ多くの乗客が残されている可能性があり、救援活動が続けられている。

安倍首相は「必要な支援を行う用意がある」というメッセージを朴槿恵大統領に送ったことを明かすなど、事故直後から支援をすることを表明していた。太田国土交通大臣も「(海上保安庁)には特殊救難隊や潜水士というかなり優れた技術を持つ部隊があるので協力を申し入れた」と話していた。

しかし、菅義偉官房長官は17日の会見で、

「我が国の海上保安庁からの申し出に対して、韓国の海洋警察庁からは謝意を示されましたけれども、今のところその要請はありません。要請があればいつでも対応できる態勢が整っている」

と述べた。

韓国メディアの報道によると、わずかに水面に出ていた船は先頭部分まで完全に水没し、船内の遺体が外部に流出した可能性も指摘されている。18日昼ごろになってようやくダイバーの船内侵入に成功し酸素注入も始められたほか、大型海上クレーン3隻を用意して船の引き揚げ作業が本格化した。

「メンツを保つことが優先なのかな?」

すでに米軍は救助に協力しているといわれる。現場は日本に近く、優れた技術を持つ日本海保が協力するのに不思議はない。なぜだめなのか。ツイッターなどでは韓国が支援を受けないことに、

「国民の命よりも反日姿勢、メンツを保つことが優先なのかな?」
「日本の救助隊に遺体バンバン見つけられたらメンツが立たんわな」
「頑固者と言うかどうしようもない国だな」

などの意見が書き込まれている。

一方の韓国ネットでは、「すでに人材も資源も十分な状態で日本の恩着せがましい言論プレーに揺れる必要ない」という声もあった。

だが、韓国側の対応を「反日姿勢」とみることについて、『呆韓論』などの著書がある元時事通信ソウル特派員の評論家・室谷克実氏は「考えすぎでしょう」と話す。急流の領域にたくさんの船が出せないという状況に加えて、「足手まといになるのでよその国に入って来られては困る。救助の技術的な問題でしょう」と言っていた。