猫が哺乳瓶をなめ赤ちゃんが髄膜炎を発症。 画像はdailymail.co.ukのスクリーンショット

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英サマセット在住のある母親が、このほどメディアに3年前の恐怖の体験を語った。当時生後3週間の娘が、愛猫の唾液により死の淵をさまよったというのだ。

3年前に愛娘を襲った恐怖の病について、このほど英メディア『dailymail.co.uk』に語ったのはサマセット州ウィンシャム在住のチェルシー・アン・ドッドさん(21)。スクスクと育っている3歳の娘、スパークルちゃんの可愛らしい姿に目を細めながら、「猫を飼っているご家庭は、どうかその唾液には十分に気をつけて下さい。抵抗力の弱い赤ちゃんの命を奪う可能性すらあるのですから」と真剣に話し始めた。

スパークルちゃんは生後3週間で突然の体調不良に陥り、トーントンの「Musgrove Park Hospital」で検査を受けた結果、「急性髄膜炎」の診断が下された。医師はチェルシーさんに、「残念ですが数時間も持たないでしょう」と告げ、スパークルちゃんは小さな体にたくさんの医療器具やチューブを付けた状態で、死の淵をさまよい続けた。奇跡的に持ち直して1か月後に退院となったが、医師は「これは髄膜炎でもきわめて稀なタイプ。お嬢さんを含め世界でも患者数はたったの39名です」と話したという。感染した菌は飼い猫チェズニーの唾液に含まれていた「パスツレラ菌」。これは犬や猫の本当に多くが口腔内に常在菌として持っており、咬んだり引っ掻いたりして皮膚病をきたす程度から、免疫力が低下している人では骨髄炎、敗血症、髄膜炎等の重い全身症状を発症して亡くなる例まである。

肝心なのはその唾液を避けること。獣医が食べ物の口移しや、ペロペロとなめさせるのを禁じるのはそうした菌への感染を防止するためだ。また髄膜炎はクモ膜下腔にたまっている脳脊髄液に細菌、ウイルス、微生物などが感染して発熱、激しい頭痛を呈する。うなじの硬直と痛みも特徴だが、赤ちゃんではそれを訴えられないため特に注意が必要。チェルシーさんは「ペットがいる中で赤ちゃんを育てる皆さんに、これだけは是非とも覚えておいて欲しい」として、最後にこう語った。

「私の不注意ですが、猫のチェズニーがミルク入りの哺乳瓶をなめていたことがあるのです。また赤ちゃんの具合の悪さや発熱に髄膜炎を疑うことはまず困難ですが、スパークルのその時の症状にはこんな特徴がありました。ずっと泣き続ける中で時々うなり声をあげ、異様なほど手足が冷たく、眩しいのか光をひどくイヤがりました。」

※ 画像はdailymail.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)