『おとなのかがく』 ©Studio Q-Li

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ドキュメンタリー映画『おとなのかがく』が、5月3日から東京・渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開される。

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同作は、学研が発行する科学実験キット付きムック『大人の科学マガジン』を裏側から支える編集者と技術者の姿を追った作品。オランダの彫刻家・物理学者のテオ・ヤンセンによる全長10メートルを超える動くオブジェが20センチメートルほどにミニチュア化され、『大人の科学マガジン』の付録になるまでの過程を中心に、独創的な創造力を駆使して精巧なミニチュアを生み出す試作屋・永岡昌光の職人技や、数々のヒットを生み出してきた『大人の科学マガジン』編集長・西村俊之の仕事ぶり、中国や台湾の工場技術者たちの奮闘などが描かれる。

メガホンをとったのは映画美学校で映像制作を学んだ忠地裕子。同作は卒業制作から生まれた作品とのこと。ユーロスペースでの上映期間中にはトークイベントなども行われる予定だ。

■忠地裕子監督のコメント
それは手でつくられる。手は創造の道具であるが、認識をする器官でもある。日本には1ミリの幅に20本の線を引く、“ものづくり”の匠がいるという。どんな世界が広がっているのだろうと興味を持った。現場に立ち会うにつれ、人間と人間、手と手が行き来する想像を超えたスリル。“魂”は手に宿るのではないか、そんな気がしてきた。日本、オランダ、台湾、そして中国、それぞれの国の匠たちが“ものづくり”を通して技を競い合う。そして互いに築く、揺るぎないリスペクトの世界があった。国境も政治も関係のない世界。テオ・ヤンセンの全長10メートルを超す動く巨大彫刻を、わずか20センチほどに極小化し、付録化していく。日本の“ものづくり”の経験や技術、精神の継承、それだけではない。その現場を見てしまった今、この映画を通して心からのリスペクトを各国の達人たちに捧げたい。