韓国南部の珍島付近で転覆・沈没した旅客船「セウォル号」(6825トン)は、濃霧のために2時間半遅れで仁川港を出発し済州島へ向かっていた。遭難信号をキャッチした位置は通常の航路から陸地によったところで、岩礁への衝突をほのめかす「ドーンという音と衝撃を感じた」という救助された乗客の証言もある。

日本海難防止協会の小川泰治常務理事は「浅瀬が点在してる海域だが、時間の遅れを取り戻すためにショートカットした可能性は否定できない」と見る。

原因は座礁?船底にキズなし

しかし、座礁の可能性を指摘する一方で、小川常務理事は「転覆した旅客船の船底を見ると、きれいなのが気になります。座礁すると船底が凹んだり傷がつく。それがないんですよね」と訝る。

救助された高校生は「『(その場を)動かないでください』という放送が再三流れたが、船はすでに沈んでいて逃げられない子がいた」という証言もある。小川常務理事は「避難指示のタイミングが遅れたことは否めないですね。船長は一生懸命だったに違いないのだが」と話す。避難誘導の遅れに加え、不適切な誘導だった可能性もある。

この旅客船は2年前までは日本で運行していたという。1000回以上も操縦してきた元船長は「小回りがきいて舵ききがよく、運動性能のいい船です。通常では考えられない」という。

ただ、遭難信号の発信から沈没までわずか2時間足らず。フェリーのため中の空洞が大きく、沈みはじめると早いのだそうだ。