今年は大型IPOがめじろ押しだ。大型株は初値で跳ねなくても、じっくり株価を上げる可能性がある。短期で大きな利益を狙うなら、SNSやバイオ関連の底値買いを仕掛けてみるのもいいだろう。話題のLINEの上場が実現すれば、関連銘柄も恩恵を受けるかもしれない。

今年のIPOラッシュは 3月から本格的に始動

 今年は件前後と予想されるIPO。だが、2月時点ですでに終了したのは、東証マザーズに外国株として上場した米国の医薬開発ベンチャー、アキュセラ・インクのみ。昨年よりも件数が増えると見込まれているわりには出足が遅いが、これには理由がある。「実はIPOは、1年のうちでも3月と月に集中しやすい傾向があります。月は機関投資家の商いが薄いので、中小型のIPOならば個人投資家の売買を誘い、注目を浴びやすくなります。また、3月は年度をまたぐと面倒なので、期が変わる前に上場しようという企業側の狙いがあるようです」(宇田川さん)という見方もあり、今年のIPOラッシュの幕開けも3月の可能性が大きい。おそらく本誌の発売前後には複数の企業がIPOを実施するはずだ。

 IPOで儲ける方法には、大きく分けると、①公募株を買って上場初値で売る、②上場後の底値を狙って買い、値上がりしたところで売る、③上場後しばらく様子を見てから買う――の3つがある。

 最も大きく稼げる可能性が高いのが①だ。通常、公開価格はディスカウントされていることが多いので、初値はかなり高めに寄り付きやすい。

 もちろん予想に反して初値が公開価格えお下回ることもあるが、昨年の勝率が9割以上であることを考えれば、よりIPO件数が多くなる今年は相当な確率で勝てそうだ。

 ただし、よく知られているように公募株はどんなに欲しくても、なかなか手に入るものではない。上場主幹事を務める大手証券会社は、取引実績がケタ違いに大きく、なじみの深い投資家にしか分けてくれないし、ネット証券の場合は抽選で当たった人だけに割り当てる仕組みだ。宝くじほどではないにしても、当たる確率はきわめて低い。

投資経験の少ない人はしばらく待ってから買う

 しかし、「ネット証券の中には、一定以上の回数で応募した人には優先的に公募株を割り当てるルールを設けているところもあるようです。諦めずに何度も申し込んでみたほうがいいですよ」と和島さんは言う。

 また西堀さんは、「主幹事の大手証券は相手にしてくれないかもしれませんが、幹事に名を連ねる中堅以下の証券会社であれば、取引実績が少なくても、マメに付き合いのある投資家に公募株を分けてくれることもあります。抽選より確実なので、ネット証券ではなく対面営業の中堅証券会社に当たってみてはどうでしょうか」とアドバイスする。

 公募株の次に大きく稼げるチャンスがあるのが、②の「上場後の底値買い」である。IPO株は初値をつけた後、一気に株価を下げる傾向が強い。その底値で買ってリバウンドを狙うわけだが、要するに犁嫩イ〞なので、負けるリスクもきわめて高い。あまり投資経験がない人は、③の「上場後しばらく様子を見てから買う」という戦略が無難だろう。

 「初値の後、いったん大きく下げたとしても、実力がある本物の成長企業なら株価は着実に上がっていくものです。決算の推移を見て成長を確認してから買っても遅くはありません」(宇田川さん)

 また今年はリクルートホールディングスやLINE、西武ホールディングスなどの大型IPOが数多く控えているが、これらの銘柄にも3の戦略が有効だという。「東証1部に上場すると、翌月末に指数に組み入れられるというルールがあります。指数銘柄になれば機関投資家や外国人が買うので、ジワジワと株価が上昇してくるはず。3〜6カ月保有すれば、3〜5割程度のリターンが狙えるかもしれません」(西堀さん)




この記事は「WEBネットマネー2014年5月号」に掲載されたものです。