ファンでなくても楽しめる!iPadで初音ミクが歌う「ポケット・ミク」の遊び方

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学研「大人の科学マガジン特別編集」として発売された「ポケット・ミク」が初音ミクファンだけにとどまらず話題となっている。「ポケット・ミク」は、コンパクトなキーボードを付属のスタイラスペンで押さえるだけで、初音ミクの声で、「ドレミ…」「あいう〜」と歌ってくれるというものだ。

初音ミクについては、今更詳しい説明はいらないと思うが、クリプトン・フューチャー・メディアから発売されているデスクトップミュージック・ソフトウェアのボーカル音源で、女性バーチャルアイドルのキャラクターでもある。ヤマハの開発した音声合成システム「VOCALOID」に対応し、ソフトウェアに歌詞や音階を入力することで、自由に歌わせることができる。

「ポケット・ミク」の基本的な使い方は、こちらの動画をみていただければよくわかるだろう。どれだけミクさんの声が再現されているのか、どんな演奏ができるのかなども、一通り知ることができる。


●「ポケット・ミク」のどこがそれほど注目されているのか?
ソフトウェア版の初音ミクは、1万円を超える価格だし、音階の入力や音声の調整など、初心者にはハードルが高そうに感じる人も多い。これまで興味はあっても、なかなか手を出しづらいと思っていたが、「ポケット・ミク」の価格は4980円(税抜)とかなりお手頃。しかも、カーボンキーボードをタッチさえすれば声がでるので、誰でもすぐに使い始められる。初音ミクを遠い存在だと感じていた人たちにとっても、一気に身近になったと言える。

筆者自身、ボカロ経験はゼロだが、最近、「ヤマハ大人のピアノ教室」に通っているので、ダイレクトにキーボードを押さえるのならできそうだと思い、「ポケット・ミク」を試してみたいと思ったほどだ。

●パソコンとも繋げば誰でも「ポケット・ミク」で自由に歌える
まずはパソコンと接続してみた。本体のみで発声できるのは「あいうえお」と初期設定されているフレーズだけだが、パソコンと接続することで、五十音を自在に発声できるようになる。

ポケット・ミク発売とほぼ同時にパソコンからのコントロールアプリが公開されているので、これを使ってみよう。あらかじめChromeブラウザーをインストールしておき、「Web MIDI API」を有効にすることで、利用できるようになる。


Chromeブラウザーで「Web MIDI API」を有効にし、ポケット・ミクをUSB接続すると、認識される


転送できるのは64文字×15セットまで。好きな音楽の歌詞を入れておいて、順に切り替えていけば、1曲歌いきることも可能だ。

さて実際に、「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」(サカナクション)を子どもと一緒に入力しながら弾いてみた。歌詞を入力して演奏すると、ボカロ経験がないなりに、いろいろ工夫が必要なことがわかってきた。同じ音階で伸ばすとき(長音)、「っ」(促音)や「ん」(撥音)が入るときには、あえて文字を入れずにキーを押す長さで調整するなどすると、自然に歌えるようだ。

●iPadとつなげてみよう、MIDIコントロールもできる
続いて、試したのはiPad miniとの接続。「MIDI Designer Lite 」など、MIDIコントロールができるアプリを入れておけば、iPad上のキーボードからも演奏ができる。また音色のコントロールも可能だ。

USBの接続には「Lightning to USB Camera Adapter」を使用した。ただし、USBケーブルをポケット・ミクにダイレクトにつないでも、「消費電力が大きすぎます。」と表示されて使えない。電源モードを「USB」と「BATTERY」の両方で試してみたが、だめだった。

そこで、給電機能付きのUSBハブを介して接続してみた。ここでは、セルフ&バスパワー両対応のエレコム「U2H-EG4SBK」を使うことで接続に成功。ちなみに、「30Pin Dock コネクター」を使用する古いiPad 2でも、「Camera Connection Kit」と給電機能付きのUSBハブを介することで接続できた。


iPad miniのアプリから、ポケット・ミクをコントロールできる


●自宅の電子ピアノはつながるのか?
最後に、自宅の電子ピアノがつながるか試してみた。10年以上前の機種だがMIDI出力機能があり、MIDI USBケーブルもある。以前には、iPadのMIDI音源をこの電子ピアノから鳴らしたこともある。しかし、ダイレクト接続、給電機能付きUSBハブを介した接続、どちらの方法も試してみたが、今のところ接続には至っていない。


MIDI USBケーブル、給電機能付きUSBハブなどを試してみたが、今のところうまくいっていない



「ポケット・ミク」の面白いところは、汎用的な音源LSIである「NSX-1チップ」を採用しているところ。単体で楽しむだけでなく、外部とのMIDI接続することで、さらに楽しみ方が広がるだろう。今後も、さまざまな機器との接続を試して、遊んでみたいと思わせてくれるアイテムだ。

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