『悼む人』 ©2015「悼む人」製作委員会

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天童荒太の小説『悼む人』が映画化され、2015年に公開されることがわかった。

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2008年に発表された『悼む人』は、全国を放浪しながら死者を悼む旅を続ける主人公・坂築静人を中心に、静人の旅に随伴する人間不信の雑誌記者・蒔野抗太郎、かつて夫を殺した女・奈義倖世、末期癌を患っている静人の母・巡子、子供を身ごもる妹・美汐らが織りなす物語を描いた作品。2009年に『第140回直木賞』を受賞し、2012年には堤幸彦演出、向井理、小西真奈美ら出演で舞台化されたことでも話題を集めた。

映画版では、舞台版を手掛けた堤幸彦がメガホンを取り、脚本も舞台版に引き続いて大森寿美男が担当。静人役には高良健吾、倖世役に石田ゆり子がキャスティングされている。

高良は同作に挑むにあたって「台本も原作も読むたびに役の印象が変わる。静人の行動がみなさんにどう映るのか、どう感じるのか、想像がつきません。僕自身、現場に立って毎日探していきます。静人の心に寄り添えるように」と意気込みを語っている。

石田は高良について、「高良さんが、そこに立っているだけで、『静人』がいると感じます。素晴らしい存在感と才能をもった方だとずっと思っていました。高良さん演じる静人の声を聞いたとき、倖世として、何を感じるのかとても楽しみです」とコメント。

堤監督は「私はこの作品を舞台なり映像なりでより多くの人々にご覧いただき、世の不条理の痛みを少しでも緩和出来ればと考えた。私ごときの力量で大それた想いだが、作品にしたくて、いてもたってもいられなくなったのも事実である。また作品に敬意を表しこれまでの私なりの撮影手法を一度初期化し『デビュー作』のつもりで挑んでいる」と同作への想いを明かしている。

■天童荒太のコメント
9.11後の、深い哀しみが広がるこの世界に、一番いてほしい人……その想いで、小説『悼む人』を届けました。そして3.11が起き、世界のいたる所で哀しみは消えるどころか、増すばかりのいま、その想いはさらに強まっています。彼にいてほしい……悲哀に満ちた場所に、彼に立ってほしい。一つ一つが素晴らしい命だったのだと心に刻んでほしい。それぞれの人が生きた愛と感謝の時間を讃えてほしい、彼に、静人に、悼む人に……。その願いが、今回、絶対の信頼を置くスタッフと、才能と熱意あふれるキャストで、スクリーン上において叶えられる。日本の人々、そして世界の人々に、悼む人の言葉が、行動が、魂が、届いていく。この映画によって、観客の心に及ぼす未知の感動が、哀しみの世界を、おだやかに変えてゆく日のことを、静かな祈りをこめて、心待ちにしています。