[其ノ一 株テクニカル編]年度末に向け、再注目の大量カラ売り銘柄!
株価は業績や材料に反応するが、それと同じくらい外せないのが「需給動向」。今の需給を逆手に取ると…。

好決算でも下落したクボタ、減益でも上昇したグリーの差は?

今年1月から大荒れとなっている株式市場ですが、国内企業の業績は非常に堅調です。3月本決算企業の第3四半期決算では、前年同期比で大幅増益となる企業や通期の業績計画を上方修正する企業が相次ぎました。ただし、その決算発表を受けた株価の反応を見て違和感を覚えた人も多かったのではないでしょうか。

たとえば第3四半期決算と同時に今期の業績予想を上方修正したクボタ。世界的に農業機械の販売は好調で、今期営業利益は前期比61・5%増と上方修正しました。かなりの好決算といえる内容でしたが、翌営業日の株価は3・6%の大幅下落となったほか、その後の株価もさえない展開となっています。また、富士重工業やダイキン工業なども同様で、好決算が素直に株価の上昇にはつながらず、むしろ下落基調が強まっています。

一方、決算発表をきっかけに大きく株価が上昇したのがグリーです。グリーの上半期の営業利益は大幅減益の前年同期比36・9%減となったにもかかわらず、決算発表後の株価は上昇ピッチが速まりました。なぜ、このような現象が起きたのでしょうか?

その背景にあるのは爛ラ売りポジションの存在〞といえるでしょう。事業環境や決算があまりよくないとみられる企業や、悪材料を抱える企業には大量のカラ売りが仕込まれています。東証が公表している、カラ売りの残高情報をチェックすると、その存在は明らかです。カラ売り残高は個人投資家の信用取引によるものではなく、機関投資家の爐泙箸泙辰診笋〞です。

実は、グリーは2月時点において、上場銘柄の中で最もカラ売り比率(出来高に対するカラ売り残高株数の割合)が高い銘柄。つまり、決算発表に向けて事前に「売り」に傾いていた需給環境が、決算発表による買い戻しの誘発によって、一気に「買い」に傾いたというわけです。

今後もカラ売りの積み上がっている銘柄には注目できます。年度末に向けて、ヘッジファンドや機関投資家はポジション整理を行なうことが予想されるからです。下の表には、2月末時点でカラ売り比率が高い大型株、中小型株で、買い戻しの可能性を秘めた銘柄をピックアップしました。これらの銘柄は、需給環境の変化によって思いもよらない株価上昇となる可能性があります!

機関投資家のポジション整理で需給が変わる!

【カラ売り比率の高い大型株ベスト5】

ユニー(東1・8270)
現在株価(売買単位):627円(100株)
カラ売り比率:3.82%

日本電気硝子(東1・5214)
現在株価(売買単位):468円(1000株)
カラ売り比率:3.51%

ヤマダ電機(東1・9831)
現在株価(売買単位):326円(1株)
カラ売り比率:2.72%

サンリオ(東1・8136)
現在株価(売買単位):3895円(100株)
カラ売り比率:2.09%

キヤノン(東1・7751)
現在株価(売買単位):3127円(100株)
カラ売り比率:2.01%

【カラ売り比率の高い大型株ベスト5】

日本カーバイド工業(東1・4064)
現在株価(売買単位):249円(1000株)
カラ売り比率:3.01%

KLab(東1・3656)
現在株価(売買単位):689円(100株)
カラ売り比率:2.37%

フージャースホールディングス(東1・3284)
現在株価(売買単位):625円(100株)
カラ売り比率:1.43%

ケネディクス(東1・4321)
現在株価(売買単位):364円(100株)
カラ売り比率:1.40%

ドワンゴ(東1・3715)
現在株価(売買単位):3060円(100株)
カラ売り比率:1.29%

※株価は2014年3月10日現在、カラ売り比率は2月19日現在。

【人気急上昇中!】
小川佳紀(YOSHINORI OGAWA)
フィスコ 株式アナリスト

岡三証券を経て現職。相場概況から注目株まで、日本株全般から本誌に合ったネタを拾ってくれる貴重な存在。



この記事は「WEBネットマネー2014年5月号」に掲載されたものです。