消費増税を乗り越えて景気回復が順調に続いていくと考えるならば、今年のJ-REIT(不動産投資信託、以下、Jリート)市場は引き続き、絶好の仕入れ場となるのではないかと予測するのはJリートに詳しいアイビー総研の関大介氏だ。関氏に注目するJリートの銘柄をあげてもらった。

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 注目する銘柄としては、出遅れ感のあるオフィス系銘柄が有望な候補となる。キャピタルゲイン(値上がり益)の上昇と、分配金などインカムゲインの増加というダブルの楽しみを狙いたい。

 オフィス系から銘柄を選ぶ際は、過去の実績分配金の平均値を確認し、現在の予想分配金との差をチェックすると、投資妙味のある銘柄が見つかりやすい。景気が回復していくなら、過去の実績値に近い水準の分配金に戻ってくる動きが出てくるからだ。

 また、Jリートの平均利回りに近い水準の銘柄を選ぶのもポイントである。マーケットよりも利回りが高い銘柄は、リスクがあると市場が判断しているとみてよい。

 景気回復の影響をダイレクトに受けやすいホテル系も狙い目だ。2020年夏季五輪に向けて最も恩恵を受けるのもホテル系である。たとえば、ジャパン・ホテル・リート投資法人は昨年から価格が上がっているが、まだ上昇の余地はあるとみる。

 住居系は6月以降まで待つ作戦がいいと考える。景気回復が続く場合、住居系の価格は、オフィス系の価格の上昇に遅れて連動して上がってくるという特色を露骨に持っているからである。オフィス系が値上がりするのは、分配金が増えそうという理由ではっきりしているが、分配金が増加しなくても住居系の価格がなぜか上がっていく場合があるので、注視しておきたい。

 逆に、景気が予想よりも思わしくない場合、オフィス系は価格が下がるだろう。それに追随し、分配金が変わらないのに住居系も下がることがあり、高い利回りを狙える局面もある。その点も含めて考えると、住居系は今年後半に物色したほうがより妙味を期待できるといえる。

 物流系は景気がよくなれば荷動きが盛んになり、景気が悪くなれば店舗を設けずにネットで注文を受けて倉庫から発送する動きが盛んになり、テナントの需要を支える。景気がどちらに振れても底堅い物流系を長期的に保有するのも有望な作戦だろう。

 Jリート全般にいえることだが、景気回復が思ったより進まない局面があったとしても、現在の分配金の水準は十分維持できる状況である。今年のファンダメンタルズ(基礎的条件)は非常に堅い。強いていえば、商業施設系は消費税増税の影響が見極めにくいので、今年は積極的に手を出す必要はないと考える。

 アメリカの財政問題など何らかの海外要因で相場が下がった時は、Jリートは買いのチャンスとなる。一時的に急落しても慌てて売らず、投資資金に余力のある人はそういう局面でこまめに拾っていくのもいいだろう。

※マネーポスト2014年春号