太らないスイーツがあるって本当?「正体は希少糖」

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少し動くと汗ばむ陽気となった。これから夏に向けて、ダイエットが気になる女性は少なくないだろう。

食べても太らないスイーツがあると聞いたが、本当なのか? 正体は希少糖(きしょうとう)と呼ばれる糖分で、脂肪がつきにくい、血糖値の上昇を抑えるなど、さまざまな効果が立証されている。ダイエットはもちろんのこと、スイーツを食べて病気が防げる時代がやってくるかもしれないのだ。

スイーツで寿命が延びる?

ひとが甘いものを好む理由は、脳にある。脳の栄養源はブドウ糖で、1日に120g、1時間当たり5gも消費するので、糖分なしでは生きられない。甘いものを食べると幸せな気分になるのも、もっとも重要な機関である脳の栄養が確保できた喜びと言えるだろう。

ただし摂り過ぎは禁物で、肥満をはじめ、動脈硬化や心筋梗塞(こうそく)、脂肪肝など重い病気の原因となることはご存じの通りだ。そこでカロリーゼロの人工甘味料がダイエットの定番になっているが、これも摂り過ぎると脳がだまされてニセ空腹状態となり、かえって肥満につながる。

糖分と脳には密接な関係があるのだ。

甘さと健康を両立させるのが希少糖だ。自然界にあまり存在しないのが名前の由来で、レアシュガーとも呼ばれている。代表例は、ガムや歯ミガキに使われるキシリトールで、甘いのに虫歯の原因にならないどころか、酸を中和して虫歯になりにくい状態にしてくれる。

同様に、糖分でありながらも「太りにくい」「骨粗しょう症を防ぐ」など、健康に良い希少糖が見つかった。D-プシコースと、D-アロースだ。

D-プシコースは肥満や血糖値の上昇を防ぐ。一般社団法人・希少糖普及協会の資料によると、D-プシコースを与えたラットは、ほかの糖と比べ、内臓脂肪が半分程度に抑えられたとの実験結果がある。また、食後の血糖値上昇を抑える働きも確認されているので、糖尿病のひとにも役立つ。

対してD-アロースは細胞を良い状態に保つ抗酸化作用が特徴だ。ほとんどの生物が必要としている酸素は、細胞を傷つける原因にもなるのだ。

代表例は過酸化水素(かさんかすいそ)水で、傷口に塗ると泡がたつ消毒薬といえば分かりやすいだろう。難しい名前の薬品だが、少々乱暴な言いかたをすると「酸素を余分に持った水」でしかなく、泡の正体も酸素で、これが菌をやっつけるのだ。

同じ原理で酸素は細胞も傷つけてしまうのだが、D-アロースは酸素の暴挙を抑える働きがあるので、美容はもちろんのこと、寿命を延ばす、ガンになりにくいなど、大きな可能性を秘めているのだ。

■パフェでダイエット

希少糖はどこで手に入るのか? すでにスーパーやコンビニにも並び始めているので、意外と簡単に入手できる。ソーダやパフェなどのお菓子をはじめ、ジャムまでも存在するので、甘味を楽しみながらダイエットできるのだ。

希少糖シロップも登場しているので、コーヒーや紅茶をよく飲むひとは、試してみるのも一興だろう。

いくら健康に良いと言っても、糖だけに過剰摂取は禁物だ。肥満になりにくいのも「ほかの糖と比べて」の意味だから、たくさん摂れば脂肪が増えるのは当たり前の話である。

摂取した糖分は、分解されるときにカルシウムを消費してしまう。「炭酸入りジュースを飲み過ぎると骨が溶ける」的な話も半分は本当で、溶けることはないが、骨に良くないのは確かだ。炭酸の刺激で味がわかりにくいので、大量の糖分を含んでいるものが多く、飲むとカルシウムも多く使われてしまうため、骨が弱くなってしまうのが真相だ。

D-アロースは骨粗しょう症になりにくい作用をするが、多量に摂れば逆効果になりかねないので、適量を守りおいしく頂くのが肝心だ。

■まとめ

・太りにくいスイーツは、存在する

・正体は希少糖で、脂肪がつきにくい

・血圧や骨粗しょう症を防ぐ作用もある

ダイエットしようと思っているひとは、ぜひお試しあれ。

(関口 寿/ガリレオワークス)