銀行は貸し出し増+証券は売買増!!!リスクオンで増収増益モード!
2月にはサプライズな日銀の銀行融資促進政策も飛び出し、収益力に追い風が吹く金融セクター。業績に株価が追いついていないという意味では今後、本格上昇が見込めるセクターの最右翼だろう。有望10万円株を厳選!

多額の戻り益で潤う銀行、金利収入急伸の証券が◎

金融機関の融資を増加させるための貸出支援基金を7兆円に倍増させるサプライズ政策を打ち出した日銀の黒田総裁。その恩恵を享受できる金融セクターには、今後も目が離せない有望株が満載だ。「アベノミクスの進展に伴う株式相場の活況や景気回復の追い風もあり、メガバンク、証券会社、ネット証券、カード会社などの収益はおしなべて絶調で推移しています」と語るのは経済アナリストの田嶋智太郎さん。

特にメガバンク3社は、保有株式の減損処理額が大幅縮小したうえに、将来の貸し倒れに備えた引当金が不要となり多額の戻り益が発生。日銀も強力にプッシュする国内融資のみならず、アジア向け貸し出しが急増しており、来期も増収増益が確実視されている。「同様にアベノミクス相場に沸いた証券各社も、株の手数料収入だけでなく、信用取引の活発化による金利収入の大幅な増加に期待が持てます」

もちろん、全体相場が低迷すれば、これまで日本株の先頭を走ってきた金融株の下落率は他業種の銘柄に比べて大きくなるはず。「4月に迫った消費増税の影響などで株価が大きく下押ししたところで底値買いをしておくと、次の株価上昇局面で大きな利益が得られるはず」と田嶋さん。

株価急落はピンチでなくチャンス。押し目買いチャンスは逃さないように!

田嶋さんが選ぶ押し目買いOK型金融株TOP10

No.1【三菱UFJ FG(東1・8306)】
株価:599円/100株 3月末決算
いくらで買える:5万9900円
PER:9.3倍
PBR:0.68倍
配当利回り:2.33%
過去最高値:195万円
過去最安値:318円

金融グループとしては国内最大。保有株式の損益が改善しており、国際部門の収益も伸びてきた。与信関係費用の戻り益の発生などで、2014年3月期は大幅な増益が見込まれる。

No.2【みずほFG(東1・8411)】
株価:209円/100株 3月末決算
いくらで買える:2万900円
PER:8.5倍
PBR:0.80倍
配当利回り:3.11%
過去最高値:103万円
過去最安値:98円

反社会的勢力への融資問題の影響は気になるが、足元の業績は好調な推移で、2014年3月期は6年ぶりの増配の予定だ。メリルリンチが投資判断を「中立」から「買い」に変更。

No.3【セブン銀行(東1・8410)】
株価:379円/100株 3月末決算
いくらで買える:3万7900円
PER:21.3倍
PBR:3.07倍
配当利回り:1.97%
過去最高値:428円
過去最安値:148円

グループのセブン―イレブンの出店増に伴うATM設置台数の増加により、増収増益基調が続いている。今後は、積極進出中の米国をはじめとした海外事業の成長も期待される。

No.4【野村HD(東1・8604)】
株価:706円/100株 3月末決算
いくらで買える:7万600円
PER:13.1倍
PBR:1.13倍
配当利回り:2.26%
過去最高値:5990円
過去最安値:223円

国内証券の雄。アベノミクス効果が持続し、個人投資家への株式や投資信託の販売が好調を維持している。引き続き、営業部門が収益の増加を牽引していきそうである。

No.5【カブドットコム証券(東1・8703)】
株価:526円/100株 3月末決算
いくらで買える:5万2600円
PER:13.2倍
PBR:2.39倍
配当利回り:3.42%
過去最高値:69万2000円
過去最安値:200円

個人投資家の株式の売買代金が大幅に回復しており、投資信託の販売も好調だ。信用取引の残高も大幅に拡大しているので、今後は金利収入も増えることが予想される。

No.6【東海東京フィナンシャルHD(東1・8616)】
株価:895円/100株 3月末決算
いくらで買える:8万9500円
PER:10.4倍
PBR:1.86倍
配当利回り:3.35%
過去最高値:3150円
過去最安値:70円

株式市場の活況で手数料収入が大きく伸びているうえ、各地の地銀と合弁で設立してきた証券子会社の販売動向も好調に推移している。本体の業績を効果的に下支えしている形だ。

No.7【マネックスグループ(東1・8698)】
株価:428円/100株 3月末決算
いくらで買える:4万2800円
PER:11.1倍
PBR:1.56倍
配当利回り:4.67%
過去最高値:19万1000円
過去最安値:332円

主力の国内証券事業が株式相場の活況で大幅に伸びてきた。買収攻勢をかけてきた米国事業も赤字が縮小しており、日本事業との相乗効果による今後の黒字化が期待される。

No.8【だいこう証券ビジネス(東1・8692)】
株価:750円/100株 3月末決算
いくらで買える:7万5000円
PER:14.7倍 
PBR:0.76倍
配当利回り:2.00%
過去最高値:2900円
過去最安値:210円

株式市場の活況やNISA(少額投資非課税制度)の開始により、バックオフィス事業、ITサービス事業、証券事業がいずれも大幅に拡大した。地銀からの受注も伸びている。

No.9【三菱UFJリース(東1・8593)】
株価:526円/100株 3月末決算
いくらで買える:5万2600円
PER:14.7倍
PBR:0.96倍
配当利回り:1.27%
過去最高値:6900円
過去最安値:403円

リース業で国内トップクラス。買収した米国の航空機リースを中心に海外事業が拡大中だ。貸倒関連費用も低水準なので、2015年3月期には増益転換が見込まれる。

No.10【UCS(JQ・8787)】
株価:945円/100株 2月末決算
いくらで買える:9万4500円
PER:9.8倍
PBR:0.88倍
配当利回り:1.58%
過去最高値:7500円
過去最安値:225円

クレジットカードを中心とした金融サービスを手がけている。個人消費の持ち直し傾向に伴い、カード事業の利用金額や利用会員数が大幅に増えた。増収増益基調が続く。

まだある! 10万円以下で買える「金融株」15銘柄

【オリエントコーポレーション(東1・8585)】
株価:207円
売買単位:100株
いくらで買える?:2万700円
配当利回り:―
PER:6.2倍
PBR:0.76倍

自動車ローンの最大手で、発行株式が多く、売買代金ランキングの上位にしばしば登場。低金利の長期化と景気回復で収益拡大が見込まれる。

【スパークス・グループ(JQ・8739)】
株価:223円
売買単位:100株
いくらで買える?:2万2300円
配当利回り:1.12%
PER:66.3倍
PBR:4.87倍

独立系投資運用業者。株価上昇による利益確定の解約が一段落し、2015年3月期は預かり残高の急回復と復配が期待される。

【マネーパートナーズグループ(東1・8732)】
株価:244円
売買単位:100株
いくらで買える?:2万4400円
配当利回り:1.63%
PER:13.0倍
PBR:0.78倍

FX専業で初めて東証1部上場を果たした堅実経営企業。昨年4〜12月期は営業利益が急拡大した。空港での外貨両替・受け取りサービスも人気。

【アコム(東1・8572)】
株価:318円
売買単位:100株
いくらで買える?:3万1800円
配当利回り:―
PER:12.8倍
PBR:1.63倍

三菱UFJグループなので信用力は絶大。過払い利息の返還は続いているが、新規契約も伸び、業績反転局面にある。

【アイフル(東1・8515)】
株価:351円
売買単位:100株
いくらで買える?:3万5100円
配当利回り:―
PER:6.7倍
PBR:1.37倍

過払い利息問題による経営難から立ち直り、再興を狙う。7月10日に迫るADR(私的整理)債務の借り換えが終われば、本格反騰も。

【筑波銀行(東1・8338)】
株価:378円
売買単位:100株
いくらで買える?:3万7800円
配当利回り:1.32%
PER:8.2倍
PBR:0.32倍

関東つくば銀行と茨城銀行の合併行。統合効果が本格的に好決算として表れてくるのは今年からか。配当引き上げの余地大。

【北洋銀行(東1・8524)】
株価:393円
売買単位:100株
いくらで買える?:3万9300円
配当利回り:1.27%
PER:1.90倍
PBR:0.39倍

第二地銀最大の資金量を誇る。破綻した北海道拓殖銀行の受け皿になったことでも有名な堅実経営。投信営業の強化が収益を押し上げている。

【第一商品(JQ・8746)】
株価:458円
売買単位:100株
いくらで買える?:4万5800円
配当利回り:4.36%
PER:206.3倍
PBR:0.82倍

金の現物、商品先物、FXを扱う商品先物の大手。不況期の厳しいコスト管理で、利益の出やすい経営体質は業界随一だ。

【池田泉州HD(東1・8714)】
株価:471円
売買単位:100株
いくらで買える?:4万7100円
配当利回り:3.18%
PER:11.4倍
PBR:0.65倍

関西地盤の地銀グループ。アジアで現地の銀行と提携するなど、取引先企業の海外進出をサポートする体制を充実させている。

【FXプライムbyGMO(JQ・8711)】
株価:480円
売買単位:100株
いくらで買える?:4万8000円
配当利回り:―
PER:7.9倍
PBR:0.96倍

店頭FX中心のFX大手。GMOの傘下だが、三菱UFJ系のカブドットコム証券も出資している。システムの使いやすさも好評で、口座数増加。

【足利ホールディングス(東1・7167)】
株価:476円
売買単位:100株
いくらで買える?:4万7600円
配当利回り:0.84%
PER:10.6倍
PBR:0.59倍

経営破綻したが、投資ファンドの支援を得て再上場。不良債権ほぼゼロの超優良銀行でもある。人件費などコストを抑えた、効率経営。

【りそなホールディングス(東1・8308)】
株価:541円
売買単位:100株
いくらで買える?:5万4100円
配当利回り:2.77%
PER:7.3倍
PBR:1.03倍

4年後の公的資金完済にメドがつき、いよいよ攻めの経営に入るときが来た。証券業務強化など新基軸に期待大。

【日本証券金融(東1・8511)】
株価:633円
売買単位:100株
いくらで買える?:6万3300円
配当利回り:2.21%
PER:10.9倍
PBR:0.50倍

株式の信用取引に必要な資金や株式を貸し出す。事実上の独占企業で、安定感は抜群だ。株式市場の売買高に比例して収益はアップする。

【東京都民銀行(東1・8339)】
株価:1054円
売買単位:100株
いくらで買える?:10万5400円
配当利回り:1.89%
PER:12.0倍
PBR:0.51倍

激戦区の東京都内にあって公的資金に頼らなかった堅実経営は、他の地銀の模範。今秋には八千代銀行と経営統合する予定で、さらに強くなりそう。

【東和銀行(東1・8558)】
株価:100円
売買単位:1000株
いくらで買える?:10万円
配当利回り:2.00%
PER:4.4倍
PBR:0.31倍

群馬県が地盤の中堅地銀。取引先に繁忙が続く自動車部品メーカーが多いのが特徴。株価は100円前後と、銀行株としては低水準。

田嶋智太郎
経済アナリスト

アルフィナンツ代表。国際証券を経て現職。株式、日経225先物、FXに精通し講演活動、テレビやラジオ出演、雑連載など多方面で活躍。ホームページ「南青山投資経済研究所」。



この記事は「WEBネットマネー2014年5月号」に掲載されたものです。