「皇居の外周を走る男性の年収は過半数が700万円を超える」

 これはランニング専門ポータルサイトのRUNNETによる2010年の調査結果。年収500万円以上と答える人を含めると78%にもなり、その高額な平均年収に驚きの声が広がりました。皇居周辺には多くの大企業が集まっているので、そこで働くビジネスマンが皇居を走ることで、この数字となったのかもしれません。

 そんな皇居でのランニングですが、そもそも誰が始めたのでしょうか。書籍『なぜ皇居ランナーの大半が年収700万以上なのか』では、皇居ランナーのハシリについて紹介しています。

 同書によると、1964年(昭和39)11月1日未明、皇居の外周で「皇居1周マラソン」が開催されたという記録が残っているというのです。注目したいのが、「未明」というスタート時刻と、主催者「銀座のクラブやバーの経営者」、参加選手「ホステス」といったポイント。
 同大会には、およそ40人のホステスが参加したようで、胸には「ラモール・ポン」「シャトレ・アリサ」といった店名と源氏名を組み合わせたゼッケンが。今から50年も前に開催された奇妙なマラソン大会、未明に皇居を走るホステスの姿はシュールな絵です。

 とはいえ、優勝タイムは23分台(皇居1周は約5km)。マラソン経験者ならわかるかと思いますが、この成績、実はなかなかの好タイムなのです。

 もちろん、ホステスのマラソン大会以前には、警察職員や学生によるマラソン大会は散発的に実施されていました。しかし、ホステスのマラソン大会が開催され、それに触発された皇居そばの国立国会図書館の男性職員が「女性にできて僕たちにできないはずはない」と、マラソンクラブを設立。これが火付け役となり、1970年代には皇居ランナーが増えだしたのです。

 今では多くのランナーで賑わう皇居ラン、きっかけは未明に行われたホステスのマラソン大会だったとは、平均年収以上の驚きではないでしょうか。



『なぜ皇居ランナーの大半が年収700万以上なのか (メディアファクトリー新書)』
 著者:山口 拓朗
 出版社:KADOKAWA/メディアファクトリー
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