不動産流動化 東京五輪で地価は10年上昇+低金利継続で楽チン資金調達
東京の地価は、2020年の五輪開催、日銀の猛烈プッシュ、政府の容積率緩和特区構想などで長期上昇トレンド入り。4月以降は年秋の消費税率%実施まで、再び住宅駆け込み購入が続くはず。あらゆる面で不動産株は長期安泰なのだ!

不動産取引は64%増の大活況で底値買いの好機

 「アベノミクスの脱デフレ政策で潤う業種として、2014年も引き続き不動産・不動産流動化関連株に中長期的な資金流入が期待できます。今年に入って株価が低迷している今こそ、勇気を持って仕込むべき」と語るのはフィスコのアナリスト・小川佳紀さん。

 昨年の国内不動産取引額は前年比で64%も増加し、6年ぶりに4兆円に迫る規模まで拡大。今年2月には黒田日銀が銀行融資を加速させるための金融政策を打ち出し、不動産取得のための資金調達がますます容易になっている。

 「地価は、いったん上昇が始まると〜年の長期スパンで緩やかに上昇が継続する傾向が顕著です。2020年の東京五輪開催を視野に入れると、今後も東京都内を中心に地価上昇が続く好環境がそろっています」(小川さん)

 大手不動産株は、最低投資金額が大きいため投資しづらい面がある。しかし、昨年いったん急騰したものの、今年になっても株価の低迷が続く万円台の不動産流動化関連株は底値買いの大チャンス。

 「昨年180円台から849円まで4・5倍増した後、現在450円前後と低迷している主力のケネディクスなどが狙い目。2015年秋には消費税率10%への増税が控えているため、この4月以降も住宅・マンションの駆け込み需要が続くはず」と予想する小川さん。4月前後には日銀の追加金融緩和も期待され「、下がったら買いの強気スタンスでOK」(小川さん)なのだ。

小川さんが選ぶ業績急回復型不動産株TOP10

No.1【東京建物不動産販売(東1・3225)】
株価:403円/100株
12月末決算
いくらで買える:4万300円
PER:14.3倍
PBR:1.24倍
配当利回り:2.48%
過去最高値:2080円
過去最安値:149円

法人向けに強く、賃貸を主力に仲介でも実力を発揮している。東京五輪に向けた東京都心部の再開発がプラス材料。親会社の東京建物による完全子会社化の噂が何度も流れた。

No.2【三栄建築設計(東1・3228)】
株価:828円/100株
8月末決算
いくらで買える:8万2800円
PER:5.9倍
PBR:0.95倍
配当利回り:2.35%
過去最高値:1660円
過去最安値:645円

木造3階建てが得意な一戸建て住宅販売業者。2014年8月期は小幅減益の会社予想だが、足元の業績は好調に推移しており、終わってみれば連続増益の可能性が大きそうだ。

No.3【フージャースHD(東1・3284)】

株価:625円/100株
3月末決算
いくらで買える:6万2500円
PER:5.2倍
PBR:1.08倍
配当利回り:1.92%
過去最高値:1850円
過去最安値:573円

マンション分譲の準大手で、千葉県など首都圏に強い。販売が好調に推移し、会社サイトには「完売のお知らせ」が並ぶ。消費税率が10%に上がる来年10月まで好調が続きそうだ。

No.4【東急不動産HD(東1・3289)】
株価:789円/100株
3月末決算
いくらで買える:7万8900円
PER:21.9倍
PBR:―
配当利回り:1.01%
過去最高値:1081円
過去最安値:773円

再開発が進む東京・渋谷と東急沿線を中心に展開する不動産大手。マンション販売は期初計画を上回っている。東急リバブルなどを持ち株会社に統合した直後で、効率化に期待

No.5【ケネディクス(東1・4321)】

株価:364円/100株
12月末決算
いくらで買える:3万6400円
PER:32.2倍
PBR:1.35倍
配当利回り:0.82%
過去最高値:81万8000円
過去最安値:311円

不動産ファンドで国内最大、伊藤忠商事と親密。脱デフレへの期待感を反映し、運用資産残高が増加中だ。他者買収も交えて積極経営。日銀が追加金融緩和に動けば株価急騰か。

No.6【レオパレス21(東1・8848)】
株価:508円/100株
3月末決算
いくらで買える:5万800円
PER:12.3倍
PBR:2.04倍
配当利回り:―
過去最高値:5150円
過去最安値:67円

アパート「レオパレス21」を展開。地主から募集・管理を任された物件の転貸が主力だ。仲介手数料無料が好評。個人投資家向けにも説明会を実施するなど情報開示にも定評がある。

No.7【タカラレーベン(東1・8897)】
株価:312円/100株
3月末決算
いくらで買える:3万1200円
PER:7.6倍
PBR:1.86倍
配当利回り:1.44%
過去最高値:2500円
過去最安値:135円

首都圏でマンションを販売。低・中価格帯物件に強い。販売戸数も単価も上昇しており、3月期末決算発表に期待が集まる。この規模の会社にしては外国人投資家の持ち株比率が高め。

No.8【トーセイ(東1・8923)】
株価:678円/100株
11月末決算
いくらで買える:6万7800円
PER:14.1倍
PBR:1.08倍
配当利回り:1.47%
過去最高値:15万1900円
過去最安値:588円

不動産と金融の融合を掲げ、不動産流動化を展開している。前期は大幅増収増益を達成し、今期も拡大基調を継続中だ。国内不動産会社で唯一、シンガポールにも上場している。

No.9【NTT都市開発(東1・8933)】
株価:984円/100株
3月末決算
いくらで買える:9万8400円
PER:28.1倍
PBR:1.76倍
配当利回り:1.62%
過去最高値:122万円
過去最安値:872円

大型オフィスビルの賃貸とマンション分譲の2本立て経営。ともに好立地物件が多いのが特徴となっている。新規物件の取得も進めており、来期以降の収益寄与が期待される。

No.10【フジ住宅(東1・8860)】
株価:692円/100株
3月末決算
いくらで買える:6万9200円
PER:7.8倍
PBR:1.10倍
配当利回り:3.75%
過去最高値:3200円
過去最安値:182円

関西を拠点に一戸建て住宅を販売。単価の高い自由設計タイプに強く、個人消費回復の恩恵を大きく受けている。2015年3月期も、販売の好調から連続最高益が予想される。

まだある!10万円以下で買える「不動産株」15銘柄

【新日本建物(JQ・8893)】
株価:55円/100株
いくらで買える:5500円
配当利回り:-
PER:13.6倍
PBR:3.10倍

金融支援を得て再建中で、株価は50円前後と低水準。マンションも一戸建ても扱う。昨年10~12月期は全部門で営業利益が黒字化。

【アパマンショップHD(JQ・8889)】
株価:6100円/1株
いくらで買える:6100円
配当利回り:1.63%
PER:4.2倍
PBR:0.94倍

経営再建が進んだ新興不動産仲介会社。賃貸管理などの請負業務を増やし、収益基盤を固めてきた。月次情報も公表中。

【原弘産(東2・8894)】
株価:54円/100株
いくらで買える:5400円
配当利回り:-
PER:84.3倍
PBR:27.55倍

山口県発祥のマンション開発業者。積極経営が裏目に出て、再建途上にある。上場廃止が危ぶまれたが、2月に増資を完了して危機を脱出。

【日本駐車場開発(東1・2353)】
株価:115円/100株
いくらで買える:1万1500円
配当利回り:2.34%
PER:26.4倍
PBR:12.28倍

駐車場運営が主力。長野県のスキー場2カ所の来場者数が好調だった。カーシェアリングも利用者数を増やしている。トヨタ自動車も出資。

【アルデプロ(東マ・8925)】
株価:248円/100株
いくらで買える:2万4800円
配当利回り:-
PER:288.3倍
PBR:-

上場維持が危ぶまれたが、昨夏の増資で危機を脱出。累積損失を抱えており、リスクの取れる投資家向けの銘柄だろう。

【エリアクエスト(東マ・8912)】
株価:143円/100株
いくらで買える:1万4300円
配当利回り:-
PER:23.1倍
PBR:5.64倍

大型ビルへのテナント誘致が主力。震災後に赤字を計上したが、昨年から急速に持ち直してきた。消費増税後も好景気持続に期待。

【日本エスコン(JQ・8892)】
株価:150円/100株
いくらで買える:1万5000円
配当利回り:1.33%
PER:6.7倍
PBR:1.09倍

関西が地盤のマンション販売業者だが、関東エリアも強化中。賃貸も併営し、収益を下支えする。2月に復配を決め、再建成功をアピール。

【プロパスト(JQ・3236)】
株価:293円/100株
いくらで買える:2万9300円
配当利回り:-
PER:27.8倍
PBR:12.42倍

経営再建中の新興不動産会社。上場を維持したまま民事再生を進め、今5月期は売上高が100億円水準まで回復し、来期も増収増益の見込み。

【セントラル総合開発(東2・3238)】
株価:301円/100株
いくらで買える:3万100円
配当利回り:0.66%
PER:5.8倍
PBR:0.81倍

ファミリー向けに強いマンション販売業者。札幌など地方大都市にも拠点を置く。2014年3月期も販売好調が予想され、連続増益に。

【価値開発(東2・3010)】
株価:28円/1000株
いくらで買える:2万8000円
配当利回り:-
PER:41.1倍
PBR:4.02倍

ホテル事業に軸足を移して再建中。株価が30円前後と低く、中級者以上の投資家向けだ。昨年末時点で「継続前提に疑義」の注記あり。

【明和地所(東1・8869)】
株価:434円/100株
いくらで買える:4万3400円
配当利回り:1.15%
PER:6.2倍
PBR:0.84倍

首都圏地盤のマンション分譲中堅。2014年は3月期末の復配に加え、増収増益と明るい話題が増えそうだ。負債圧縮を優先か。

【京阪神ビルディング(東1・8818)】
株価:542円/100株
いくらで買える:5万4200円
配当利回り:2.58%
PER:12.1倍
PBR:0.60倍

住友グループで、オフィスビルと場外馬券売り場の提供が主力。業績は好調で昨年10月に配当予想を小幅だが引き上げた。再上方修正も。

【駐車場綜合研究所(東1・3251)】
株価:218円/100株
いくらで買える:2万1800円
配当利回り:1.78%
PER:18.2倍
PBR:2.17倍

駐車場の運営代行・管理を全国の商業施設等で展開。自治体に市街地再開発のアドバイスも。2015年3月期は連続最高益更新が見込まれる。

【空港施設(東1・8864)】
株価:755円/100株
いくらで買える:7万5500円
配当利回り:1.58%
PER:23.9倍
PBR:0.88倍

全国13の空港で航空機の格納庫や貨物施設を運営。売上高の84%を占める東京・羽田の発着枠拡大や新興航空会社の台頭が追い風だ。

【明豊エンタープライズ(JQ・8927)】
株価:125円/100株
いくらで買える:1万2500円
配当利回り:-
PER:9.9倍
PBR:2.20倍

東京拠点のマンション販売業者。投資用物件に強い。2009年・2010年7月期は連続赤字だったが、金融機関の支援を得て再建が進む。

小川佳紀(おがわ・よしのり)
フィスコ 株式アナリスト

岡三証券を経て現職。最新の市場分析と 旬のテーマ株の発掘能力が武器。フィス コ「マーケットマスターズ」では若手のホー プとして中小型株とIPO株に特化した銘 柄推奨を行ない、好成績を持続中。




この記事は「WEBネットマネー2014年5月号」に掲載されたものです。