「日本経済は20数年振りにデフレから脱却し、 インフレの入り口に差し掛かった可能性が高い」と語る松本氏。 今後の資産運用は預貯金一辺倒では成功しなくなるとも指摘する。NISAがスタートし、 貯蓄から投資への流れが生まれつつある中、松本氏が見通す 日本経済の将来像と、あるべき資産運用の姿とは?

市場には波があるが、株式市場に居続けることが大切

 しかもシェールガスの産出でエネルギー輸入国から輸出国に転じ、長年の懸念だった財政赤字・貿易赤字という、いわゆる「双子の赤字」も黒字に転換するかもしれない。すると長期的にドル高・円安のトレンドが本格化する可能性が高く、為替差益も期待できる米国株の投資効率は高いといえるでしょう。

 日本も確かに悪くはないのですが、今後は人口が減っていくうえに、自国内だけでも十分経済をつくっていける米国に比べてやはり輸出のウエートが高く、自国内では経済が完結できないことが相対的なネックとなります。

 弊社では今春、NISA口座の中で米国株を購入できるよう対応を始める予定ですが、昨年暮れにはすでに米国株取引でも特定口座が利用できるようにしています。売買できるのは3000銘柄以上米国の一定以上の企業ほぼ全部と言っていい。面倒な配当の計算も含め、非常に便利ですよ。

 中国、インド、ロシア、インドネシアといった新興国も、今でこそ足踏みしていますが長期的な成長が期待できます。その源は、膨大な人口とインターネットの普及という組み合わせ。世紀半ばに産業革命が起こる以前は、世界のGDP(国内総生産)の6割は中国とインドが占めていました。が、それ以降は先端の技術・情報が欧米に偏り、経済力でも水をあけられてしまいました。

 しかし、インターネットの普及によって技術・情報が世界中に還流し、欧米との差が、縮まったことが、もともとの人口の多さと相まって急激な経済成長を下支えしています。

 長期投資を行なう場合、気をつけるべきは個々の企業の"事故"。でも、米国株や新興国株を個別にウォッチし続けるのは難しい。そこで、長い視野で国の成長を見ながら運用するタイプの投資信託を購入して、プロのマネジャーに任せることをお勧めします。その場合、事故対応の難しいインデックス型よりもアクティブ型のほうがいいでしょう。時々フタを開けたり、ポートフォリオをいじってもいいんですが、売らずに株式市場に居続けることが大切です。

 以上のことを踏まえたうえで、実際にポートフォリオを組むなら、米国株が5割、日本株4割、ちょっとしたスパイスとして残り1割を新興国株。

 一見、日本株の割合が高いように思えますが、2020年開催予定の東京五輪は強烈な需要喚起に繋がります。都内のマンション需要ひとつ取っても、すでに凄まじい状態。しかも、消費税を8%からもう一段、2%上げるためにも、政府は今夏の景気を必死に支えようとしてくるでしょう。