今、スマホゲーム関連に引けを取らないほど新聞の紙面をにぎわしているのがバイオ株。抵抗勢力の少ない新技術なだけに安倍政権も成長戦略の花火を打ち上げやすい。「国策に売りなし」という格言が今、最もお似合いの有望バイオ株とは?

国策の強烈な後押しで話題満載の再生医療関連

 「安倍政権が推進する医療分野の成長戦略を受け、iPS細胞による再生医療の早期実現、ゲノム情報を電子化して疾病発生要因を調査するゲノムコホート研究、バイオバンクの基盤整備、テーラーメイド医療の解禁などへの取り組みが活発化しています。株式市場が飛びつきそうなキーワードが満載で、バイオ株の有望度は高まっています」と語るカブ知恵の代表・藤井英敏さん。

 実際、京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞してから、再生医療関連のニュースが新聞の一面トップに躍る回数が増えている。「日本は再生医療に欠かせない細胞培養で世界シェア7割を握っています。山中伸弥教授も研究に励む細胞培養工程が、日本政府の支援を受け世界のデファクトスタンダード(事実上の標準)になれば、バイオ関連株にとっては究極の追い風でしょう」

 バイオ株というと万年赤字の印象が強いが、万円株の中でもガン治療ワクチン開発のオンコセラピー・サイエンス、創薬開発に必要な特殊タンパク質を販売するカルナバイオサイエンスなどは2014年3月期黒字化を達成の見込み。ローツェやプレシジョン・システム・サイエンスなどゲノム解析の装置を作る企業はもともと黒字で、その技術は海外の製薬メーカーからも引く手あまただ。

 「バイオ株は値動きが荒いので、材料が出て人々の注目が集まったときの短期売買が中心になります。しかし、今後は長期スタンスでも大儲けできるチャンス到来でしょう」と藤井さんは強調するのだ。

藤井さんが選ぶ短期爆騰型バイオ株TOP10

No.1【メディビックグループ(東マ・2369)】
株価:4 47円/100株
12月末決算
いくらで買える:4万4700円
PER:ー
PBR:13.29倍
配当利回り:ー
過去最高値:79万2000円
過去最安値:62円

ヒト遺伝子(ゲノム)創(円)薬ベンチャーの草分け的存在。乳ガンの遺伝子キットの販売を開始した。「継続前提に重要事象あり」だが、2014年12月期の会社予想は利益がすべて黒字転換。

No.2【メディネット(東マ・2370)】
株価:3万2600円/1株
9月決算
いくらで買える3:万2600円
PER:ー
PBR:2.77倍
配当利回り:ー
過去最高値:174万
過去最安値:4240円

ガン治療・免疫細胞療法に使う細胞加工や再生医療分野に注力する。営業赤字が続いているが、免疫細胞療法の利用者は増加中。上場11年目に突入し、収益改善が待たれる。

No.3【アイロムHD(東1・2372)】
株価:828円/100株
3月末決算
いくらで買える:8万2800円
PER:24.1倍
PBR:2.10倍
配当利回り:ー
過去最高値:27万5000円
過去最安値:727円

医療機関向けの治験支援や、複数の診療所が入居する医療モールを展開。医薬品部門から撤退し、治験支援業者を買収するなど、本業への経営資源集中を鮮明にしている。

No.4【DNAチップ研究所(東マ・2397)】
株価:928円/100株
3月末決算
いくらで買える:9万2800円
PER:ー
PBR:9.79倍
配当利回り:ー
過去最高値:156万円
過去最安値:836円

社名の通り、スライドガラスにDNAの断片を固定したDNAチップを製造・販売している。遺伝子診断・治療に欠かせないツールであり、将来の市場拡大が予想される。

No.5【アンジェスMG(東マ・4563)】
株価:532円/100株
12月末決算
いくらで買える:5万3200円
PER:ー
PBR:4.93倍
配当利回り:ー
過去最高値132万円
過去最安値457円

遺伝子治療薬開発のベンチャー企業。営業赤字が続き、投資家の忍耐が求められる局面にある。アトピー性皮膚炎薬など有望品目も多く、投資家も患者も商品化が待ち遠しい。

No.6【オンコセラピー・サイエンス(東マ・4564)】
株価:212円/100株
3月末決算
いくらで買える:2万1200円
PER:ー
PBR:1.69倍
配当利回り:ー
過去最高値263万円
過去最安値175円

東京大学医科学研究所発のベンチャーとして話題になった。ガン治療ワクチンに専念している。大手製薬会社とのつながりが深く、他のベンチャーより信用度が高いのが特徴だ。

No.7【カルナバイオサイエンス(JQ・4572)】
株価:731円/100株
12月末決算
いくらで買える:7万3100円
PER:ー
PBR:3.80倍
配当利回り:ー
過去最高値:25万円
過去最安値:469円
創薬支援の会社。会社発表では、2014年12月期に営業利益が黒字浮上の見込み。2月発表の中期経営計画では、最終年度である2016年12月期の数値目標が欲しかった。

No.8【キャンバス(東マ・4575)】
株価:938円/100株
3月末決算
いくらで買える:9万3800円
PER:ー
PBR:6.66倍
配当利回り:ー
過去最高値:4050円
過去最安値:295円
抗ガン剤開発を進める創薬ベンチャー。新株予約権で資金調達を完了し、当面は開発に専念できそうだ。投資ファンドが上場後も株式を保有して、値上がりを待っている。

No.9【デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(JQ・4576)】
株価:855円/100株
12月末決算
いくらで買える:8万5500円
PER:ー
PBR:8.55倍
配当利回り:ー
過去最高値:3755円
過去最安値:59円
新薬の基礎材料になる有用物質を開発する三重大学発の創薬ベンチャー。売上高が少なく、「継続前提に重要事象」の注記あり。“夢を買う”と位置づけられる投資家向けの銘柄だ。

No.10【ローツェ(JQ・6323)】
株価:465円/100株
2月末決算
いくらで買える:4万6500円
PER:20.2倍
PBR:1.07倍
配当利回り:1.07%
過去最高値:5800円
過去最安値:99円

半導体製造ラインの、シリコンウエハーの搬送装置を製造。世界的な半導体メーカーの設備投資の回復を受けて好調。遺伝子解析装置も製造しており、将来の収益分野と期待される。

まだある!10万円以下で買える「バイオ株」6銘柄

【塩水港精糖(東1・2112)】
株価:276円/100株
いくらで買える:2万7600円
配当利回り:1.81%
PER:42.0倍
PBR:1.48倍

三菱商事系の製糖会社だが、医薬品の安定化に利用できる環状オリゴ糖の技術で1990年代からバイオ関連株の位置づけ。

【シンバイオ製薬(JQ・4582)】
株価:307円/100株
いくらで買える:3万700円
配当利回り:―
PER:
PBR:1.28倍
ガンや自己免疫疾患などの難治性疾患に的を絞って新薬開発に臨む。中期経営計画では2016年12月期まで営業赤字“。夢を買う”銘柄だ。

【ファーマフーズ(東マ・2929)】
株価:335円/100株
いくらで買える:3万3500円
配当利回り:―
PER:61.4倍
PBR:1.74倍
機能性食品材料を開発し、食品メーカーに販売している。江崎グリコ、三菱商事、ロート製薬などが出資。健康志向で長期成長が期待される。

【JCLバイオアッセイ(JQ・2190)】
株価:494円/100株
いくらで買える:4万9400円
配当利回り:-
PER:-
PBR:2.37倍
新薬開発に伴う動物やヒトへの各種試験を受託する。同業者の中で唯一、日米両国に研究所を持つ。2015年3月期の復配に期待。

【トランスジェニック(東マ・2342)】
株価:461円/100株
いくらで買える:4万6100円
配当利回り:-
PER:-
PBR:2.38倍
実験用マウスの作製が得意。会社予想の通り2014年3月期の営業黒字浮上に成功すれば、投資家の評価は一変しそうだ。

【プレシジョン・システム・サイエンス(JQ・7707)】
株価:658円/100株
いくらで買える:6万5800円
配当利回り:2.27%
PER:10.0倍
PBR:2.54倍
遺伝子治療・検査に欠かせないDNA抽出機器や試薬類を製造する。連続営業赤字だが、遺伝子医療の拡大につれて黒字化か。

ちなみに...20万円以下で買える「バイオ株」10銘柄

【免疫生物研究所(JQ・4570)】
株価:1213円/100株
いくらで買える:12万1300円
配当利回り:-
PER:-
PBR:3.45倍

【ユーグレナ(東マ・2931)】
株価:1088円/100株
いくらで買える:10万8800円
配当利回り:-
PER:-
PBR:32.79倍

【リプロセル(JQ・4978)】
株価:1123円/100株
いくらで買える:11万2300円
配当利回り:-
PER:-
PBR:19.73倍

【メドレックス(東マ・4586)】
株価:1535円/100株
いくらで買える:15万3500円
配当利回り:-
PER:270.2倍
PBR:2.28倍

【セルシード(JQ・7776)】
株価:1401円/100株
いくらで買える:14万100円
配当利回り:-
PER:-
PBR:4.80倍

【ナノキャリア(東マ・4571)】
株価:164100円/1株
配当利回り:-
PER:-
16万4100円
PBR:13.03倍

【タカラバイオ(東マ・4974)】
株価:1759円/100株
いくらで買える:17万5900円
配当利回り:0.06%
PER:156.9倍
PBR:3.87倍

【富士製薬工業(東1・4554)】
株価:1885円/100株
いくらで買える:18万8500円
配当利回り:2.33%
PER:12.8倍
PBR:1.10倍

【ジーンテクノサイエンス(東マ・4584)】
株価:2400円/100株
いくらで買える:24万円
配当利回り:-
PER:-
PBR:5.58倍

【コスモ・バイオ(JQ・3386)】
株価:2048円/100株
いくらで買える:20万4800円
配当利回り:0.97%
PER:53.1倍
PBR:1.96倍




藤井 英敏(ふじい・ひでとし)
カブ知恵 代表

旧・日興證券、金融情報会社などを経て 独立。国内証券マン、ヘッジファンドへ の独自取材・情報収集をフル活用した銘 柄発掘の鋭さに定評あり。「カブっちゃけ ブログ」が超おもしろい!

この記事は「WEBネットマネー2014年5月号」に掲載されたものです。