サント・トマス大学の構内にある付属病院はフィリピン大学などと並んで、フィリピン有数の病院だ【撮影/志賀和民】

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フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者の ためのなんでも相談所」を運営する志賀さんのマニラ報告。今回は、フィリピンのエリートたちが通う名門大学事情。

 退職者の方が入院している関係で、サント・トマス大学(University of Santo Tomas, UST)を訪れる機会があった。USTといえば1611年に設立されたアジア最古の大学で、4万2000人の学生を擁するフィリピン最大の大学でもある。マニラ市内の繁華な場所にある約25ヘクタール(7万5000坪)のゆったりしたキャンパスは学生であふれ、いかにも大学という雰囲気があった。

 UST出身者には、ケソン、オスメニア、ローレル、マカパガル(アロヨ前大統領のお父さん)などフィリピン共和国の初期の大統領の名が連なる。ケソン大統領はケソン・シティの由来でもある。ちなみにローレル大統領は日本がフィリピンを占領していたときの傀儡政権で、今では歴史から抹消され、道路などの名前にもなっていないのでめったに耳にすることはない。英雄ホセ・リザールもここでも学んでいる(彼は大学を3つ出ているそうだ)。

フィリピンナンバーワン大学は国立フィリピン大学

 ちなみにフィリピンでナンバーワンの大学は押しも押されもせぬ国立フィリピン大学(University of the Philippines、UP)で、フィリピン国内に10校を有し学生総数は5万人を超えるが、単独の大学としてはUSTに席を譲る。ケソンシティに500ヘクタール(150万坪)近い広大なキャンパスを構えるUP Diliman校は旗艦大学として2万5000人の学生を擁し、幾多の国家的指導者を輩出してきた。


 フィリピンの歴史に名を残す第10代大統領マルコスを筆頭に、マニラの大通りの名前でおなじみのRoxas(ロハス)、Quirino(キリノ)は第5代と6代の大統領、現在の副大統領Binay(ビニャイ)もUPの出身だ。UPの学生は国家や社会の指導層になるべく育てられたエリートの集合体で、その誇りと自信はなみなみならぬものがある。なんでも一番にならなければ気が済まず、組織の中でトップになれないとさっさとやめてしまう。UP出身者なら、ある程度経験を積みさえすればいくらでも転職先はある。

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